・角田裕毅がアゼルバイジャンGPで6位入賞し、メキース代表から昇格後ベストと称賛
・マルコ博士は「角田にはより直接的な指導が必要」と語り、シミュレーター作業で進歩を確認
・角田は「マックスの支え役」と役割を自覚し、安定感ある走りでチームに貢献
F1第17戦アゼルバイジャンGP決勝で、角田裕毅(レッドブル)が6位入賞を果たし、レッドブル・レーシングのローラン・メキース代表から「昇格後ベストのレース」と称賛を受けた。角田はランド・ノリス(マクラーレン)の猛追を退け、優勝したマックス・フェルスタッペンを支える走りで、マクラーレンの獲得ポイントを減らすという重要な役割を果たした。
フェルスタッペンとの差は依然として大きいが、角田はここ数戦で新たなアプローチを導入している。レッドブルのヘルムート・マルコ博士は『Sky Deutschland』に次のように語った。
「モンツァではユウキ(角田裕毅)がマックスより1秒遅い場面もありました。そこで私たちは新しいやり方を試すことにしました。単純に言えば、ユウキは経験が少ない分、より多くのコーチングが必要だということです。マックスが特定の状況で何をするかを彼に伝え、クルマも彼の好みに合わせて調整しました」
この変化により、角田はシミュレーターでの追加作業を含め、自信を高めることができたという。
「ここ数週間積み重ねてきた努力が実を結んでいます。マックスが僕と違うやり方をしている部分に気づき、それをシミュレーターですぐに実践しました。実際のコースで完全に再現するのは別の話ですが、確実に進歩を感じています」
角田は現実的にギャップを認めつつも、着実にステップを踏んでいる。
「もちろん、クオリティはマックスのレベルには達していませんが、一歩ずつ進んでいます。この週末で未来に向けて自信を深めることができましたし、今やっていることを続けていきたいです」
決勝では、予選で使用したタイヤを抱えながらもノリスを抑え込んだ。
「簡単ではありませんでした。使えるのは予選で使ったタイヤだけで、すぐにオーバーヒートしてしまいました。無理な動きをしてポジションを落とすわけにはいきません。チームにとって大きなダメージになるからです」
角田は、セカンドドライバーという自らの役割を明確に理解している。
「最も大事なのはマクラーレンより前にいることです。レッドブル・ファミリーにとってそれが一番重要です。今シーズンをあきらめることはありませんし、特にマックスのタイトル獲得の可能性がかかっています。僕はマシンから最大限を引き出し、彼をサポートできればと思っています」
2026年に昇格が噂されるイザック・ハジャーの存在により、角田の将来は依然として不透明だ。しかし、バクーでの走りを見たメキース代表は明言した。
「彼はアゼルバイジャンで昇格後最高のレースをしました」
レッドブルが角田に次に求めるのは、これまでも課題として繰り返し指摘されてきたプレッシャー下でも常に安定した走りを見せて結果を残し続けることになる。
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