・京都鉄道博物館で特別展示「レーシング&レールウェイ ヒストリー」が開幕、F1と鉄道の技術進化を紹介
・開幕日にHRC渡辺康治社長が来場し、企画者である北野氏の案内で館内を視察
・展示は二部構成で、11月・12月にはトークショーや体験イベントも開催予定
ホンダ・レーシング(HRC)とJR西日本が共同で企画した特別展示「レーシング&レールウェイ ヒストリー」が10月23日(木)、京都鉄道博物館で開幕し、開館直後から老若男女を問わず多くの入場者が記念撮影を楽しんだ。
F1と新幹線という異なるモビリティが、時代ごとの技術革新や日本のものづくりの精神をテーマに並列展示されている。会期は12月21日(日)まで。
開幕初日となる23日(木)の朝には、HRCの渡辺康治社長が来場し約1時間滞在。松岡俊宏館長、JR西日本の青木豊太氏(鉄道文化推進室長)、本企画提案者である北野高宏氏(京都鉄道博物館・総務企画課)の案内で展示エリアや館内を視察した。
渡辺社長は、F1マシン「ホンダRA271」と「0系新幹線電車 22形1号車」、そして「ロータス・ホンダ99T」と「500系新幹線電車 521系1号車」が並列展示されている様子を興味深く見学。「F1と新幹線、車と鉄道の技術は突き詰めると同じ方向を向いているんですね」と語った。

説明を行った北野氏は、1990年代からのモータースポーツファンであり、鉄道・新幹線と車・F1との親和性を渡辺社長や報道陣に熱く説明。渡辺社長は、北野氏らが手作りしたパネル展示を読みながら話に花を咲かせた。

また渡辺社長は、「RA271」と「0系新幹線」が自身と同い年であること、そして「99T」は自身の入社年のマシンであることを明かした。
さらに鉄道の車体構造や保存技術にも強い関心を示し、「歴史ある車両を動態保存する難しさは、鉄道もレーシングも同じですね」とコメント。国の重要文化財に指定されている扇形車庫や、蒸気機関車が出発する様子も視察し、深い感銘を受けた様子だった。

館内を巡る中で、モータースポーツファンから握手や記念撮影を求められると、渡辺社長は気さくに応じていた。その後、F1メキシコGPに向けて渡航するため、新幹線で東京へ戻っていくという強行スケジュールだった。
本展示は前期・後期の二部構成で約2カ月間にわたり開催される。
前期(〜11月16日)は、1964年にともにデビューした「ホンダRA271」と「0系新幹線電車」、そして姿勢制御技術の進化を象徴する「ロータス・ホンダ99T」と「500系新幹線」を展示。さらに、アイルトン・セナと中嶋悟が当時実際に使用していたヘルメットや、本田技研工業の第4代社長・川本信彦氏による直筆の承認サインが入ったRA271の本物の設計図面もサプライズ公開されている。

後期(11月17日〜)には、日本製にこだわった「Honda RA107」と「230形蒸気機関車」、高効率化を追求した「McLaren Honda MP4/4」と「100系新幹線」が登場予定だ。
異なるフィールドで“速さ”と“革新”を追い求めた車両を同時代で比較できるこの展示は、日本の技術史に新たな視点を提示している。
11月15日(土)・16日(日)には、レーシングマシン乗車体験イベントを開催予定。
2輪・4輪マシンに乗車して記念撮影ができるほか、野尻智紀選手(TEAM MUGEN)、岩佐歩夢選手(TEAM MUGEN/Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamリザーブドライバー)、中嶋悟総監督(元F1ドライバー/NAKAJIMA RACING総監督)によるトークショーも行われる。
さらに12月20日(土)・21日(日)には第2弾イベントとして、「マクラーレン・ホンダMP4/6」エンジン始動実演や、牧野任祐・太田格之進・鈴木亜久里ARTA総監督によるトークショーも予定。牧野は大阪出身、太田は京都市下京区出身で、関西出身コンビのトークにも注目が集まる。
F1ファンはもちろん、鉄道ファンにとっても、時代を超えて受け継がれる「挑戦と技術」の物語を体感できる展示となっている。
館内の学芸員によると、展示されている500系新幹線は床を約10cm低くして保存しているという。これは、新幹線のプラットフォームが通常の鉄道車両より約10cm高いためで、隣に展示されている特急列車との高さを合わせるための工夫だ。両車両の間には来場者が歩けるプラットフォームが設けられており、安全に楽しめるよう新幹線側の床を低くして展示しているとのこと。
また、国の重要文化財に指定されている扇形車庫も見どころのひとつ。SLが放射状に並ぶ様子は圧巻で、保存・展示の工夫が随所に感じられる。さらに、2026年1月12日まで展示されている「きかんしゃトーマス」は目が動き、定時になるとしゃべるといった演出もあり、鉄道ファンでなくとも思わず笑顔になるような仕掛けが数多く用意されている。