【FIA公式発表】2026年F1規則に修正合意 全関係者が一致、議論の末に見えた落としどころ・・・マイアミGP前に導入へ

2026年04月22日(水)9:03 am

記事要約


・FIAは2026年F1規則の見直し最終提案を公表し、多くの変更をマイアミGP前に導入する方針を示した

・予選と決勝ではERSやMGU-Kの出力・回生制御を調整し、全開走行の増加と安全性向上を図る

・スタート時の低加速検知や警告灯、雨天時のタイヤと視認性対策も盛り込まれた


●【F1ライブ結果速報】F1日本GPもライブでお届け

FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1レギュレーションの見直しについて、マイアミGPから導入される最終提案を明らかにした。

今回の最終提案は、FIA、技術代表者、そしてF1ドライバーたちからの幅広い意見をもとに、この数週間にわたって重ねられてきた協議の結果としてまとめられたものだ。

調整の可能性に関する議論は、2026年シーズン最初の3戦で収集されたデータに基づいて行われた。

2026年レギュレーションは、FIA(国際自動車連盟)、各チーム、自動車メーカー、パワーユニットメーカー、そしてFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント社)との緊密な連携のもとで策定・合意されており、今回の規則変更もその協力関係を背景に協議されたものだ。

4月20日に合意された提案は以下の通りであり、スタートに関する変更を除いてマイアミGPから導入される。スタートに関する変更については、マイアミでテストを実施したうえで、フィードバックと分析を踏まえて採用される。

■予選 パフォーマンス向上へ

エネルギーマネジメントのパラメーターが調整される。これには、最大許容リチャージ量を8MJから7MJへ引き下げることも含まれており、過度な回生(※回生エネルギー)を抑え、より一貫して全開走行できるようにすることが狙いだ。この変更により、1周あたりの最大※スーパークリップ時間はおよそ2〜4秒に短縮される見込みだ。

※回生エネルギー:減速時に発生するエネルギーを電力として回収し、再利用する仕組み
※スーパークリップ:電力切れにより電動アシストが失われ、加速が低下し回生(発電)モードに入る状態。この際、エンジン出力の一部が充電に使われるため、さらに加速が鈍る。通常のクリッピング(軽い電力切れ)よりも失速が大きいことから、「スーパークリッピング」と呼ばれる。
・ドライバーはこれを防ぐため、ストレートでもあえて電動アシストを使わない区間を作ったり、軽くアクセルを戻して回生(リフト・アンド・コーストなど)を行い、電力を管理している。

スーパークリップ時の最大出力は、これまでの250kWから350kWへ引き上げられる。これにより再充電に費やす時間がさらに短縮され、エネルギーマネジメントに関するドライバーの負担も軽減される。この変更は決勝時の条件下にも適用される。

さらに、より低い代替エネルギー上限を適用できるイベント数は、これまでの8戦から12戦へ拡大される。これにより、サーキット特性に応じた柔軟な対応が可能となる。

■決勝 安全性とパフォーマンスの一貫性を改善

決勝で※ブーストによって使用できる最大出力は、+150kW、または作動時点でそれを上回っている場合にはその時点の車両出力に制限される。これにより急激な性能差を抑えることが狙いだ。

※ブースト(ブーストモード):常時使用可能な基本的な電動アシストによる加速モード

MGU-Kのデプロイメント※は、コーナー立ち上がりからブレーキングポイントまでの主要な加速区間(オーバーテイクゾーンを含む)では350kWを維持する。一方で、それ以外のラップ区間では250kWに制限される。

※MGU-Kのデプロイメント:回生によってバッテリーに蓄えた電気エネルギーを、加速時にMGU-K(モーター)で後輪の駆動力として放出する仕組み

これらの措置は、過度な接近速度を抑えつつ、オーバーテイクの機会と全体的なパフォーマンス特性を維持するためのものだ。

■レーススタート 安全機構を強化

新たに「低出力スタート検知」システムが開発された。これはクラッチを離した直後に異常に加速が鈍いマシンを識別できるものだ。

そのような場合には自動的にMGU-Kのデプロイメントが作動し、最低限の加速を確保する。これによりスタート時のリスクを軽減しつつ、競技上の優位性は生じさせないとしている。

あわせて、後続車に警告するための視覚警報システムも導入される。影響を受けたマシンではリアおよび側面のライトが点滅する。

また、フォーメーションラップ開始時にエネルギーカウンターをリセットする仕組みも導入される。これは以前から確認されているシステム上の不整合を修正するためのものだ。

■ウエットコンディション 安全性と視認性を改善

ウエットコンディションでの初期グリップとタイヤ性能を改善するため、ドライバーからのフィードバックを受けてインターミディエイトタイヤのタイヤブランケット温度が引き上げられる。

また、最大※ERSデプロイメントは引き下げられ、トルク(タイヤを回転させるための力)を抑えることで低グリップ路面でのマシンコントロール性を向上させる。

※ERSデプロイメント:回生で蓄えた電力をMGU-K(モーター)を通じて後輪に伝え、加速性能を高めるために使用する仕組み

さらに、※リアライトシステムは簡素化される。より明確で一貫した視覚シグナルを採用することで、悪天候時における後続車の視認性と反応時間の向上を図る。

※リアライトシステム:マシン後方のLEDライトを用いて、減速時や速度差を可視化するとともに、雨天時などに車両の状態を後続車へ知らせ、安全確保を目的としたシステム

これらの最終提案は今後、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の電子投票にかけられる予定だ。レーススタートに関する提案を除き、5月3日のマイアミGP前の導入が見込まれている。スタートに関する提案は、その週末にテストと分析が行われる見通しだ。

【関連記事】
●2026年F1規則をマイアミGPで異例の早期修正へ フェルスタッペンらの不満が反映か?

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック