・スイス、1955年以来続いていたサーキットレース禁止令を解除
・ただし、全面的なレース復活には慎重姿勢が続く
・スイスGP復活や大規模サーキット建設の可能性は現時点で低い
スイスが、1955年から続いていたサーキットレース禁止令を正式に解除した。これにより、世界のモータースポーツ界でも異例だった規制の一つに終止符が打たれることになる。
スイス政府は今週、常設サーキットでのレース開催を7月1日から再び合法化すると発表した。
この禁止措置は、1955年のル・マン24時間レースで発生した大事故を受けて導入されたものだった。この事故では観客83人とドライバーのピエール・ルヴェーが死亡している。
政府の公式声明では、「改正条項に基づき、サーキットレース禁止を解除することが決定された」と述べられている。
フランスのスポーツ新聞『L'Equipe』によれば、スイスでは2010年頃から議会レベルで規制解除の議論が進められていたという。
ただし、新制度は全面的なレース解禁というより、慎重な条件付き緩和という性格が強い。
イタリアの経済紙『Il Sole 24 Ore』は、今後のレース開催許可は各州が個別に管理し、「騒音、環境、安全性への影響」を事例ごとに審査すると伝えている。
同紙はさらに、「主要国際イベントが即座に復活したり、常設サーキットが急速に建設されたりするとは考えにくい」と指摘している。
また、スイスGP復活の可能性についても、現時点では具体的計画というより構想段階にとどまっている。
『Il Sole 24 Ore』は、スイスが「いかにもスイスらしい特異な状況」を抱えているとも伝えている。
国内でサーキットレース禁止令を維持しながら、一方ではヒンウィルを拠点とするアウディなど、主要モータースポーツ関連拠点が存在しているためだ。
スイスはすでに2015年、電動レースに限った特例措置を導入し、2018年と2019年にはチューリッヒおよびベルンでフォーミュラEを開催していた。
しかし、これらのイベントは最終的に運営面の問題や政治的反対、地域住民の反発などによって開催されなくなっている。
『Il Sole 24 Ore』は次のように締めくくっている。
「規制は変わりました。しかし、状況そのものは今も昔も変わっていません。」
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