2026年F1のアップデート戦争が勃発 フェラーリの“排気トリック”をライバル勢がこぞって模倣

2026年05月18日(月)18:04 pm

記事要約


・新規定F1で空力開発競争が激化 フェラーリの排気トリックに注目

・ライバル7チームが早くも模倣、効果は1周あたりコンマ数秒か

・首位メルセデスはカナダGPで『W17 2.0』投入へ、アントネッリ支援も強化



●【F1ライブ結果速報】F1マイアミGPもライブでお届け

2026年シーズンのF1開発競争が急速に激化している。ライバルチームたちが早くもフェラーリの革新的なデバイスを模倣し始めるなか、マクラーレンも、独創的なリヤウイングコンセプトである通称“マカレナ”ウイングの独自バージョンを間もなく投入する構えだ。

レギュレーションが刷新されてからわずか数戦しか経過していないにもかかわらず、この開発スピードの速さは、画期的なコンセプトに対して各チームが急速に収束しつつあることを裏付けている。

■ザック・ブラウン代表「ライバルの設計は綿密に分析している」

マクラーレンF1代表を務めるザック・ブラウンは、拠点を置くウォーキングで、ライバル勢が先行投入しているリヤウイング設計を綿密に分析していることを認めた。

「もちろん研究していますよ。想像がつくと思いますが、すべてのチームが互いの動向をチェックしていますからね。実に巧妙な設計であり、我々にとっても有益になり得ると考えています。ですから、他のチームがそれを採用し始めても驚きませんよ」とブラウン代表は語った。

この通称“マカレナ”と呼ばれるリヤウイングのコンセプトは、まずフェラーリで注目を集めた後、レッドブルがマイアミGPで、攻撃的な解釈を加えたデザインを投入していた。

しかし現在、フェラーリの『排気を利用したダウンフォース発生トリック』を巡って、もうひとつの大きな空力開発のバトルが勃発している。

ドイツの専門誌『Auto Motor und Sport』によると、フェラーリはバーレーンでのプレシーズンテスト中に、排気口後方にウイングエレメントを配置。そこから排出される高温のガスを利用して追加ダウンフォースを得る仕組みを導入し、ライバル勢を驚かせたという。

同誌は「ライバル勢は騒然となった。彼らは、排気ガスを再利用したダウンフォース生成は、すでにレギュレーションで完全に禁止されたと思い込んでいたのだ」と報じた。

フェラーリのエンジニアたちは、リヤアクスル周辺のサスペンション構造やドライブシャフト配置を巧妙に工夫することで、FIAが定める“合法領域(レギュレーションボックス)”の抜け穴を突いたとされている。

同誌は「フェラーリの排気ガスは特に高温であるため、このトリックはとりわけ高い効果を発揮している」と説明し、その効果は「1周あたりコンマ数秒」に相当すると付け加えた。

■早くもグリッド全体に広がる模倣の波

この革新的なアイデアは、すでにグリッド全体へ広がり始めている。

『Auto Motor und Sport』誌は「マイアミGPの時点で、すでに他の7チームがこの原理に基づいてマシンを改良していた」と伝えた。

「ウィリアムズは、排気の流れの中に細く背の高いエレメントを配置した。アルピーヌの小型ウイングは、平たく幅広い形状だ。マクラーレンとレッドブルは、テールパイプ下端をバッフル(導流板)で覆うシンプルな手法を採用した。メルセデスは、排気部にダブルウイングを装着している」と報じた。

ハースF1のみが、フェラーリとリアサスペンション構造を共有していることから、同チームのオリジナルコンセプトをほぼ忠実に再現できていると報じられている。

同誌はさらに、「しかしフェラーリは現状に満足していない。マイアミGPでは、すでに改良型のエキゾースト(排気口)ウイングを披露していた」と付け加えた。

■カナダGPでの反撃を狙うメルセデス、新型「W17 2.0」投入か

一方、選手権をリードするメルセデスF1チームは、マイアミGPでのアップデート合戦にはほとんど参加せず、次なる大規模な反撃に向けた準備を進めている。

イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』によると、メルセデスは2026年序盤の段階で大規模な開発投入を意図的に抑えていたという。開幕時点でW17がすでにベンチマークとなる競争力を持っていたためだ。

しかし、フェラーリ、マクラーレン、そしてレッドブルがマイアミGPで相次いで大規模なアップデートを投入したことで、メルセデスは現在、カナダGPに向けた大型アップデートパッケージの準備を進めている。

同誌は「すでに“メルセデス2.0”という言葉も出ている」と伝えている。

このアップデートパッケージには、空力面およびメカニカル面の改良に加え、スタートシステムの変更も含まれているとされる。またメルセデスは、改良型ステアリングホイールのクラッチシステムも導入する見込みで、これは特にアンドレア・キミ・アントネッリのスタート安定性向上を目的としたものだという。アントネッリは開幕4戦で3勝を挙げている一方で、スタートの不安定さが課題となっていた。

「この新しいハードウェアはカナダGPで投入される予定であり、シミュレーターでスタート練習を重ねていたにもかかわらず、マイアミGPで残った不確実性を解消するものになるはずだ」と報じられている。

【関連記事】
●アストンマーティン・ホンダF1、苦戦脱却へ次の一手 カナダGPで前倒しアップデートか

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック