・中東情勢悪化でバーレーンでのテストが中止 ベスティが当時の舞台裏を告白
・通過直後の橋がドローン攻撃を受けるなど、緊迫の脱出行に
・新車W17の初走行は逃すも、数カ月以内のFP1出走に期待
メルセデスF1のリザーブドライバーを務めるフレデリック・ベスティは、シーズン開幕前に予定されていた、バーレーンでのF1テストが突如中止となった裏側で、緊迫する中東情勢の只中に身を置いていた当時の状況を明かした。
ベスティはシーズン開幕直前、バーレーンで行われるピレリのタイヤテストに参加予定だった。彼にとっては、2026年型マシンを本格的に走らせる最初の機会となるはずだったが、地域情勢の急速な悪化を受け、F1は現地での全活動を中止する決断を下した。
デンマーク紙『Ekstra Bladet』に対し、ベスティは当時の状況を次のように振り返っている。
「朝8時、ホテルのジムにいたときに、テレビでアメリカとイスラエルによる攻撃のニュースを見たんです。かなり衝撃的な内容で、僕たちはまさにそのすぐ近くにいたんです。でも、近隣諸国に突然、ドローンやミサイルの“雨”が降るような状況になるなんて、誰も想像していませんでした」
事態は、ベスティがサーキットに到着した直後から急速に悪化したという。
報道によれば、到着とほぼ同時に最初のサイレンが鳴り響いた。
「ガレージでは、すでにチームが作業をストップしていました。スマホを見ると、バーレーン国内の最初の標的が攻撃されたことが分かったんです。その時点で、誰もが想像していた以上に深刻な状況だということが分かりました。それで僕たちはホテルに戻り、そのまま5日間滞在することになったんです」とベスティは当時を振り返った。
その後、現地からの移動も危険と混乱に満ちたものとなった。
「サウジアラビアへ向かう橋の上で3時間待機していたのですが、その2時間後にその橋がドローン攻撃を受けたんです」
「ドローン攻撃の影響で領空が封鎖されてしまい、僕たちは空港の床で10時間も寝ることになりました。翌朝ようやく飛行機で出発できました」
ベスティは最終的に、サウジアラビアとカイロを経由してヨーロッパへ帰還した。
今回のテスト中止により、ベスティはシミュレーター以外でメルセデスの新車「W17」をドライブする貴重な機会を失うことになった。
「バーレーンでのテスト期間中に、新しいマシンを数日間ドライブできれば最高だったけど、今回は実現できませんでした」
それでもベスティは、今季中のチャンスに前向きな姿勢を見せている。
「近いうちにフリー走行1回目(FP1)を走る機会があるはずです。まだ正式な連絡はありませんが、おそらくここ数カ月以内には実現するでしょう。」
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