・苦戦続くアロンソ、2026年末の契約満了後の去就は未定
・マシンはトラブル山積で、カナダGPでの大幅向上も見込めず
・ホンダも戦闘力底上げに向け「内燃機関の改良が必要」と言及
アストンマーティンF1のフェルナンド・アロンソは、今シーズン以降もF1でのキャリアを継続するかどうか、まだ決断していないことを認めた。
間もなく45歳を迎えるアロンソとアストンマーティンの契約は2026年末で満了となるが、新たにホンダとタッグを組んだチームの今季は、厳しい状況が続いている。
先日、元F1レーサーのラルフ・シューマッハが「アロンソもルイス・ハミルトン(フェラーリ)も、もう引退すべきだ」と発言したことで、アロンソの去就に関する憶測は一気に加速している。
カナダGPの舞台モントリオールで、動画配信サービス『DAZN』の取材に応じたアロンソは、チームの厳しい現状が、長期的な決断を下すことを難しくしていると胸中を明かした。
「正直なところ、先のことは1分たりとも考えていません。僕たちはまだシーズン序盤で厳しい状況にあり、まずはこの状況を解決しなければなりません。シーズン後半に向けて、なんとか好転させたいと思っています」
「そうなれば、もう少し視野が広がって、もう1年走りたいかどうかを本気で実感できるようになるかもしれません。ただ、現状のパフォーマンスでは、どうするかを決断するのは難しいです」
アストンマーティンは、苦戦が続く2026年シーズン前半戦で、ドライバビリティ、ギアボックスの挙動、エネルギー管理、そして何よりも「振動」など、山積するトラブルに見舞われており、いまだ大きな進展のきっかけをつかめないままカナダGPを迎えている。
アロンソは、今回のカナダGPに大きなパフォーマンスアップグレードは投入されていないことを認めた。
「今回は、パフォーマンスを向上させるようなアップデートはないので、ハンドリングに集中することになります。ここからの数ヶ月で、エンジンと空力の両面において、これまでとは異なる(哲学的)アプローチが導入される予定です」
カナダGPの展望を問われると、「ただ、今回のレースに関しては、ここ数戦と同じようなパフォーマンスになると予想しています」と説明した。
アストンマーティンF1のチーフ・トラックサイド・オフィサーであるマイク・クラックは、現状への不満や焦りが高まり、特にドライバーたちに大きな負担がかかっていると認めた。
「木曜、金曜、土曜、日曜と、ドライバーたちは常に同じ質問をされ続けています。何度も同じことを繰り返し、同じ回答を続けなければならないのは、彼らにとって精神的にタフなことです。フラストレーションがどんどん蓄積されていくので、私たちは彼らをそうした状況から守らなければなりません」とクラックは記者団に語った。
さらにクラックは、カナダGPに持ち込まれたのは目に見えないわずかな変更のみであり、より大規模な空力アップデートはシーズン後半まで延期されたことを認めた。
「私たちには『巨人の一歩(大躍進)』が必要です。しかし、F1においてシーズン中に劇的な進歩を遂げることがいかに難しいかは分かっています。レースごとに少しずつ改善を重ね、モチベーションを維持していくしかありません」
一方、ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎氏は、ホンダ陣営が今なおパフォーマンスと信頼性の双方の課題と格闘していることを明かした。
「マイアミGPでは、バッテリーの信頼性に関して重要な一歩を踏み出せました。現在は、エネルギー管理とドライバビリティの向上に焦点を当てています。今シーズンのパフォーマンスを底上げするためには、エンジン自体(内燃機関)を改良し、フリクション(摩擦抵抗)を低減させる必要があります」
また、クラックは、最近ささやかれているアストンマーティンF1の代表エイドリアン・ニューウェイ代表の体調不良説や、それに伴うマネジメント体制変更の噂についても言及した。
「そうした決定に関しては、ニューウェイ代表本人や、技術開発戦略の責任者たちの判断に委ねています」
カナダGP初日のFP1では、アロンソがセッションを通じてトップ10圏内をキープした。FIAの資料上、アストンマーティンに新パーツの提出は確認されていないが、アロンソは10番手でFP1を終えた。
しかし、続くスプリント予選SQ1では、ターン3のブレーキングで攻めすぎて、タイヤをロックアップ。白煙を上げながら正面からバリアにクラッシュし、セッションは赤旗中断となった。
アロンソは無線で「攻めすぎてしまった。ごめん」とコメント。それでもSQ1突破圏内のタイムを残していたため、14番手でSQ1を突破したが、マシンにダメージを負った影響でSQ2には出走できず、スプリントは16番手からスタートすることになった。
ランス・ストロールもSQ1で敗退しており、アストンマーティン・ホンダにとっては厳しいスプリント予選となったが、初日にアロンソが見せた速さはチームにとって明るい材料となった。
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