・ラッセルがカナダGPで感情爆発、FIAから罰金処分を受ける
・アントネッリとの差が43点に拡大し、タイトル争いで猛追を強いられる
・ウォルフ代表は新人優位を認めつつもラッセルの挽回を確信
メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1カナダGP決勝のレース中にリタイアした際、フラストレーションを爆発させた行動により、FIAからペナルティを科された。これを受けてラッセルは2度にわたり謝罪を余儀なくされ、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとのタイトル争いにおいて、最悪の局面を迎えることとなった。
プレッシャーの中でカナダGPに挑んだラッセルだったが、序盤は力強い走りを見せた。スプリントを制し、ポールポジションを獲得。決勝でもレースをリードしていたが、パワーユニット(PU)のトラブルにより無念のリタイアに終わった。
マシンから降りる際、感情を抑えきれなかったラッセルは、コックピットのヘッドレストを放り投げた。これがFIAの調査対象となった。
FIAが発表した公式声明によると、ラッセルには5,000ユーロ(約85万円)の罰金処分が科された。ただし、今後12か月以内に同様の違反がない限り、この処分の執行は猶予される。
FIAは声明で「ドライバーから、『レースをフィニッシュできなかったことに極めて強いフラストレーションを感じていた』と説明がありました。彼は自身の行動についてスチュワード(※審査委員会)に謝罪し、模範的な行動ではなかったことを認めました」と説明した。
さらに、ラッセルが「恥ずかしく思っている」と吐露したことを明かし、公の場でも謝罪する意向を示したと付け加えた。
その後、ラッセルは自身のSNSで、宣言通りに謝罪の言葉を投稿した。
「マーシャル(※オフィシャル)の皆さん、そしてFIAの皆さん、本来必要のない余計な仕事を増やしてしまい、申し訳ありませんでした。あの瞬間は、あまりにも多くの感情が込み上げてしまいました」
レッドブル・レーシングは、この騒動を揶揄せずにはいられなかったようだ。
X(エックス)上でラッセルの感情爆発について議論していたファンアカウントに対し、レッドブルの公式アカウントが返信を投稿した。その内容は、かつてラッセルがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを批判した際、「不必要な怒りと、暴力の一歩手前」と非難した言葉を引き合いに出した、痛烈な皮肉だった。
今回の騒動はラッセルにとって、これ以上ない最悪のタイミングでの痛手となった。
カナダGPを迎える前、首位アントネッリとの差はわずか20ポイントであり、チャンピオンシップの主導権を取り戻しつつあるように見えていた。しかし、今回のノーポイントにより、その差は43ポイントにまで拡大してしまった。
レース後、ラッセル自身も「タイトル争いはアントネッリが自滅しない限り厳しい状況になりつつあります」と認めざるを得なかった。
ウォルフ代表も、今やティーンエイジャーであるアントネッリが大本命であることに同意している。ウォルフ代表はフランスのテレビ局『Canal Plus』に対し、次のように語った。
「もちろんアントネッリはチャンピオンになれます。完全に確信していますよ。4連勝を飾り、40ポイントほどのリードがあります。彼がこのチャンピオンシップをコントロールできなくなるとは思えません。一方で、ラッセルはここから挽回しなければなりませんし、彼ならきっとやってくれると、私は確信しています。カナダで起きたことは彼のせいではありませんからね」
スペインの『Marca(マルカ)』紙もまた、アントネッリのメンタリティとアグレッシブさを若き日のフェルスタッペンと比較し、次のように綴った。
「アントネッリには、レジェンドドライバーになるための素質が備わっている。おそらく最も似ているのはマックス・フェルスタッペンであろう。アントネッリは、デビュー当時のフェルスタッペンの完全なコピーのようだ。」
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