・メルセデス、評価額の隔たりでアルピーヌ株取得交渉を断念か
・ルノーは拒否権を行使し、ホーナー側の取得案も阻止した模様
・ホーナーのF1復帰は不透明に、BYD新規参入案が残る可能性
メルセデスは、アルピーヌの株式取得計画を断念したと報じられている。一方で、クリスチャン・ホーナーがフランスのチームをF1復帰への道として利用する望みも、行き詰まったようだ。
報道によれば、メルセデスはニューヨークを拠点とする投資ファンド、オトロ・キャピタルが保有するアルピーヌ株24%を取得する交渉から撤退したという。
フランス通信社『AFP』はメルセデスにコメントを求めたが、チームの広報担当者はコメントを控えた。
交渉は数か月にわたって続いていたとされ、メルセデスとメルセデスF1のトト・ウォルフ代表は少数株式の取得に関心を示していたという。
しかし、協議は評価額をめぐって決裂した。
複数の報道によれば、オトロは24%の株式に対して約7億2000万ドル、日本円で約1,150億円を求めていたとされる。これはエンストンを拠点とするチーム全体の評価額が30億ドル近く、日本円で約4,800億円に達することを意味する。
一方、メルセデスはチームの価値をそれより低く、約22億〜24億ドル、日本円で約3,520億〜3,840億円と見ていたとされる。
※1ドル=約160円(6月上旬為替)で換算すると、7億2000万ドルは約1,150億円、30億ドルは約4,800億円、22億〜24億ドルは約3,520億〜3,840億円。
「私たちの理解では、交渉は打ち切られました」と、ルノー関係者が語ったと報じられている。
この動きは重要だ。ルノーはメルセデスを優先入札者と見なし、拒否権を使って、ほかの関心を示す相手との協議を阻止していたと報じられていたためだ。
その一人が、元レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーだった。
スペインとイギリスの報道によれば、ホーナーは同じ24%の株式取得に関心を持つ投資家グループをまとめていたという。
しかし、アルピーヌの支配株76%を保有するルノーは、ホーナーのグループが関与する取引を阻止するため、拒否権を行使したとみられている。
今回の動きにより、ホーナーのF1復帰計画はますます不透明になっている。
最近では、中国の自動車大手BYDとの関係も取り沙汰されていた。BYDの副社長ステラ・リーがカンヌ国際映画祭でホーナーと面会しており、同社がF1参入を検討しているとの報道も出ていた。
しかし、ルノーが支配株の維持を決意しており、メルセデスとホーナー関連の動きの双方を阻止したとされる現状では、その可能性も低そうだ。
現時点で、ホーナーにとって最も現実的なF1復帰ルートは、BYDが将来的な12番目のチームとして、独自プロジェクトの立ち上げを決断するかどうかにかかっているのかもしれない。
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