ウィリアムズのカルロス・サインツが、物議を醸している「ADUO(エンジン性能均衡システム)」を巡る論争で、FIA側の見解を支持する姿勢を明確にした。
レッドブルは、レッドブル・フォード製パワーユニット(PU)が現在のF1におけるベンチマークであるとするFIAの評価に反発している。この評価が適用されれば、他チームにはアップグレードの機会が与えられる一方で、レッドブル側の性能向上は制限される形となるためだ。
レッドブルF1代表のローラン・メキースは先日、「ライバルに対して、私たちのエンジンが優位性を示すデータは一切存在しない」と主張し、FIAの判断に疑問を呈している。
しかし、この見解に対し、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるサインツは異なる立場を取った。
サインツは、今回の議論についてこう語る。
「多くの人が驚いたのは分かりますが、僕にとっては驚きではありませんでした」
「ご存じの通り、僕はデータを徹底的に掘り下げ、あらゆる情報を注意深く分析するのが好きです」
サインツがこの結論に至ったのは、バーレーンで行われたプレシーズンテストがきっかけだったという。
「最初のバーレーンテストの時点で、正直、レッドブルにはかなり驚かされました」
その対象はレッドブル本隊だけでなく、姉妹チームであるレーシングブルズにも及んでいた。
サインツは、その後のレースを通じて、当初の印象が確信へと変わっていったと説明する。
「レッドブルのPUが明らかに最も優れているレースがありました。カナダGPのような低温コンディションや、モナコGPのような市街地でも、トップスピードは最も高かったです」
こうした傾向が一度きりではなく、複数のグランプリで確認された点が重要だとサインツは強調する。
さらに、レッドブルとレーシングブルズの両チームで同様のパフォーマンスが見られたことについても、「もはや偶然とは言えない」との認識を示した。
サインツは現在、メルセデス製パワーユニットを搭載するウィリアムズで戦っている。
F1でも屈指のテクニカルドライバーとして知られ、データ分析への理解度の高さでも評価が高い存在だ。
そのサインツが、明確に「データから見える傾向」としてレッドブルのパフォーマンスを指摘したことは、単なる印象論では片づけられない重みを持つ。
レッドブルとFIAの間で続くエンジン性能を巡る水面下の対立は、依然として決着の気配を見せていない。
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