FIAの議論を呼ぶ「ADUO(アップグレード開発・救済措置)」制度の下、アウディがパワーユニット(PU)の初アップグレードを実戦投入していた可能性が浮上した。
ドイツ誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、アウディは公式発表のないまま、バルセロナ・カタルーニャGPで改良版PUを投入し、F1のPUメーカーとしてADUO制度下で初のアップグレードを実施したと報じられている。
一方、フェラーリもオーストリアGPで最新仕様を投入することを正式に認めており、メルセデスもこれに続く構えだ。開発競争は早くも次の段階へと突入している。
今回の変更は純粋なパワー出力の向上ではなく、ドライバビリティの改善に重点が置かれている。特に、初期仕様の大型ターボチャージャーによるスロットルレスポンス※の問題に対応したとされる。
※スロットルレスポンス:アクセル操作に対して、エンジンやPUがどれだけ素早く反応し、駆動力や加速として表れるかを示す応答性のこと。
レッドブルはバルセロナ・カタルーニャGPの時点でFIAのADUO評価に疑問を呈し、「レッドブル・フォードの内燃機関が最強という結論を裏付けるデータは存在しない」と主張していた。
FIAは、こうした見方がある中でも初回アップグレードを承認し、各メーカーは割り当てられた開発枠の範囲内で順次アップデートを投入できる状況となった。
フェラーリはオーストリアGPで新仕様を正式に投入する。
PU責任者のエンリコ・グアルティエリは、今回のアップデートについて次のように説明した。
「私たちがオーストリアGPで導入するアップデートは比較的控えめなもので、ここ数週間の開発プログラムで得た成果をトラックに反映させるものです」
さらに、即効性への過度な期待を牽制した。
「今回のアップデートは限定的であり、それ単体で競争力の序列を変えるものではありません」
続けて開発の本質についても言及し、「パフォーマンスは、多くの小さなステップを積み重ねながら時間をかけて作られるものです」と語った。
メルセデスもオーストリアGPでアップデートを投入する予定だ。
シーズン序盤に築いた優位性はバルセロナGPで崩れ、フェラーリが勝利を収めるなど、勢力図は変化している。
メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、次のように語った。
「バルセロナGPは、現在のパフォーマンスを測るベンチマークになりました。開幕から6戦、勝利を重ねてきた私たちにとって、現実を突きつけられるレースでもありました。他チームが急速に差を詰めており、私たちは対応する必要があります」
また、今回のパッケージについては、パフォーマンスと信頼性の両面を改善することが目的だと説明し、「これまでのアキレス腱は信頼性でした」と認めている。
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