メルセデスF1「マカレナ」導入見送り ライバル勢が開発も予算は2027年型へ

2026年08月18日(火)23:00 pm

記事要約


・夏休み明けに追加アップデート投入へ、「マカレナ」は見送り

・フェラーリとレッドブルが開発、マクラーレンはモンツァ投入へ

・メルセデスは開発予算を2027年型マシンへ振り向ける方針


メルセデスはF1の夏休み明けに、さらなるアップデートを投入する見通しだ。

ただし、ライバル勢が開発を進めている通称「マカレナ」のリアウイングについては、2026年中の導入を見送ると、ドイツの自動車専門誌『Auto Motor und Sport(アウト・モトール・ウント・シュポルト)』が報じた。

■フェラーリとレッドブルが先行、マクラーレンもモンツァ投入へ

「マカレナ」と呼ばれるリアウイングのコンセプトは、フェラーリとレッドブルが冬の間に開発を進めてきた。

マクラーレンもハンガリーGPで独自仕様をテストしており、モンツァで行われるイタリアGPで実戦投入する見込みだ。

これに対し、メルセデスは異なる道を選んだ。現状でも高い直線スピードを確保できていることから、このシステムのために今季の限られた開発予算を投じる考えはないという。

その分のリソースは、2027年型マシンの開発へ振り向けられている。

■メルセデスはアップデート投入時期を慎重に判断

メルセデスF1の副チーム代表ブラッドリー・ロードは、ライバル勢と比べて、意図的に積極性を抑えた開発プログラムを選択していると説明した。

「風洞では毎週、ラップタイム短縮につながる一定の成果が得られます。予算上限があるなかでは、いつ新しいパーツをサーキットへ持ち込み、性能を一段引き上げるかを決めなければなりません。理想的なのは、既存のパーツが寿命を迎える時期に合わせてアップデートを投入し、性能向上につなげることです」

「重要なのは、そのタイミングなのです」

また、ロード副チーム代表によれば、メルセデスはFIA(国際自動車連盟)の公式アップデートリストには必ずしも掲載されない小規模な変更も、数多く施してきたという。

「それによって、私たちは現在のポジションを維持することができました」

■ステラ代表「風洞だけに頼ることはできない」

マクラーレンF1のアンドレア・ステラ代表は、独自の「マカレナ」システムについて、開発の難しいプロジェクトだったことを認めている。

「ここまでは複雑なプロジェクトでした。複雑なものになることは分かっていましたが、少なくともウイングそのものについては、私たちの設計部門がうまく作動する形に仕上げてくれたと思います。具体的には、機械的な動作や作動に要する時間という点です」

ステラ代表によれば、とりわけ重要なのが、実車によるサーキットでのテストだという。ウイングが元の状態へ戻り、ダウンフォースが回復する際には、マシン全体の空力挙動を確認する必要があるためだ。

「こうしたプロジェクトでは、風洞だけに頼ることはできません」

ライバル勢が「マカレナ」の開発と導入を進めるなか、メルセデスは今季のマシンで十分な直線スピードを確保できていることから、限られた開発予算を2027年型マシンへ振り向ける道を選んだ。

夏休み明けもアップデートは続く見通しだが、予算上限のもとで、どのパーツをいつ投入するのか。そのタイミングを慎重に見極めることが、メルセデスの開発戦略となっている。

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