30日(日)に行われた2014年のF1第2戦マレーシアGPは、メルセデスAMGの1-2フィニッシュで幕を閉じた。メルセデスのレースカーがF1で1-2フィニッシュを遂げたのは、1955年にファン・マヌエル・ファンジオとピエロ・タルッフィがイタリアGPで達成して以来、実に59年ぶりのことだ。
だが、21世紀を代表するF1チームであるレッドブルのテンポの速い復調ぶりは、現在のメルセデスAMGの優位もそれほど長くは続かないであろうことを予感させている。
マレーシアGP決勝において3位となったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、優勝したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)よりも24.5秒遅れでゴールしている。だが、もう1台のメルセデスAMGである2位のニコ・ロズベルグに対しては、その位置をおびやかすことも可能なところまでせまっていた。
ベッテルは、レース後に次のように語った。ある段階では、ぼくたちはかなり似たような力だと思えたし、対等に戦えそうだった。でも、そうしたら彼(ロズベルグ)はほかのギアを見つけたかのように、どんどん差を開いていったよ」
だが、ロズベルグは4年連続でF1タイトルを獲得してきたレッドブルが驚くほど急激に調子を上げてきていることに不安を覚えているようだ。
「たった数週間前に行われた最後のテストでは、彼らの姿はまったく見えなかった。でも、今では彼(ベッテル)が僕のすぐ後ろに迫っていた」
「まぁ、僕にはまだ余力があったから、最後にははっきりと勝負をつけることができた。それでも、彼らのスピードの取り戻し方はすごく印象的だ。だから僕たちも自分たちの優位性を保ちつづけるようにする必要がある」
ベッテルは、ドイツのテレビ局に対して、レッドブルは、現時点でリードしているメルセデスAMGよりも「大きな前進」を果たしていると語った。
メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダでさえ、そのベッテルの発言を認めている。
ラウダは、ドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。
「我々はレッドブルの開発の早さには本当に注意をしておく必要がある」
「メルセデスAMGやほかの誰に対しても、もっとスピードを上げろという助言ができるだけだ。なぜなら、結局のところトップに立てるのは1人だけなんだからね」
「今の時点では、それがメルセデスAMGとレッドブルなのは明らかだと言える。彼らが2強だ。そこから少し差が開いて、フェラーリが続いているよ」