4冠のセバスチャン・ベッテルは、ウィリアムズはミック・シューマッハを起用すべきだと強く推していたが、ウィリアムズが選んだのは育成プログラムのアルゼンチン人ドライバー、フランコ・コラピントだった。
決定前、ベッテルはドイツの放送局『RTL』に対し、こう述べていた。
「もちろん、ミックに2度目のチャンスが巡ってくることを願っている。なぜなら、彼には多くの有利なことがあるからね。彼はF1ドライバーとして2年の経験があり、それ以来、人間として大きく成長した。彼はさまざまなチームから貴重な知見を得ており、WECでもレースに適した状態を維持している」
■シューマッハのスピードと全体的なパッケージに高評価
「スピードや全体的なパッケージには、一部の人が覚えている以上のものがある」
「F3とF2で彼が証明したように、もっとできる能力がある。ウィリアムズで最大限のパフォーマンスを発揮できるだろうし、そのシートを得るに値する」
『RTL』によれば、シューマッハの母コリーナ、マネージャーのサビーネ・ケーム、叔父のラルフ・シューマッハが舞台裏で熱心に働きかけているという。コリーナとケームは先週末のザントフォールトにも姿を見せていた。
しかし、来年のもう一つの選択肢としては、インディカーへ参戦することも考えられていると『RTL』は報じている。
■今のウィリアムズなら力を発揮できる
ベッテルは、シューマッハがウィリアムズでの中途加入によってF1でのチャンスを再び掴むことを期待している。
「もし私の決める立場なら、ミックを推すだろう」と37歳のベッテルは『Bild』紙に語った。
「彼は僕の友人だから少し偏っているかもしれないけど、僕の目には最善の解決策だ。彼は現在の役割を通じてメルセデスエンジンを含む非常に広範な技術的知見を持っている。それに彼は優れたレーシングドライバーだよ」
セバスチャン・ベッテルは、ウィリアムズのシートを掴むことになるコラピントよりも経験のあるシューマッハの方が良い選択肢だと考えている。
「特に、彼はF1とこれらのトラックを知っているので、その点は大きな利点だ。それは大きなアドバンテージだよ」
ベッテルはこう続けた。
「シューマッハは私生活で適切な環境にいるが、ハースではそれがなかった。すべてのドライバーにとって、自分自身とクルマの能力を最大限に引き出すのは難しいんだ。でも、今のウィリアムズならそれができるはずだ」
「私は彼がチャンスを得て、自分の能力を世界に示すことができることを願っている。ミックはハースでの2年間のせいで不当な烙印を押されている。確かに彼はミスを犯したが、クルマには競争力がなかった」
■トト・ヴォルフもミックを推していたが
メルセデスチームボスのトト・ヴォルフも、F1リザーブドライバーであるシューマッハが選ばれることを願っており、友人であるジェームス・ボウルズ代表がその選択をすれば「感謝する」と述べていた。
「彼にはチャンスを与えるべきだと思う。だけど、決定するのはジェームス・ボウルズだ」
しかし、最終的にジェームス・ボウルズ代表が後任に選んだのは、アルゼンチン出身の育成ドライバー、フランコ・コラピントだった。