角田裕毅“F1シート喪失”の舞台裏　独誌が語る“ホンダの切り札”とレッドブルが受け入れなかった決定理由

2025年12月05日（金）20:17 pm

・角田裕毅が2026年のF1レースシートを失い、レッドブル／レーシングブルズのテスト兼リザーブドライバーに就任

・ハジャーがレッドブル昇格、リンドブラッドがレーシングブルズ加入で若手中心の体制に刷新される流れが確定

・ホンダの“割引エンジン案”も最終的に拒否され、スポーツ面での将来性重視により決定が下った

レッドブルは2026年に向け、予想どおりドライバー体制を“トップからボトムまで”大規模に刷新することを発表した。それに伴い、角田裕毅（レッドブル）はレースシートを失い、レッドブルおよびレーシングブルズのリザーブドライバーに就任することが決まった。

イザック・ハジャーがマックス・フェルスタッペンの新たなチームメイトとして昇格し、ハジャーの後任として2026年にデビューを迎えるアービッド・リンドブラッドがレーシングブルズに加入。リアム・ローソンは引き続き同チームに残留する。

この決定がどのように固まったのか、そしてなぜホンダが角田を守れなくなったのか――その背景について『Auto Motor und Sport』が解説している。

同誌のジョエル・リシュカ記者は、角田の去就にはホンダの存在が大きく関わっていたと指摘する。

「最後の最後まで、彼にとってホンダは切り札だった。TPC（旧車テスト）の最新モデルはホンダ製パワーユニットを搭載しており、レッドブルがエンジンを確保できない可能性があったからだ」

リシュカ記者によれば、ホンダは“角田がF1シートを維持する”ことを条件に、レッドブルへエンジンを割引価格で販売する案を提示していたという。

「ホンダは、角田がシートを維持すればエンジンをディスカウント販売するという取引を水面下で進めていた」

しかし最終的に、レッドブルはこの“割引案”を受け入れなかったとされる。

「レッドブルはこのアイデアを最終的に受け入れなかった」とリシュカ記者は述べる。

その理由について、同誌は“純粋なスポーツ面”からの判断が大きかったと説明している。

「角田の伸びしろは限られている。一方でリアム・ローソンには、より急激な成長カーブが期待されている」

レッドブルは最終的にパフォーマンスと将来性を重視し、2026年ラインナップを決定したという見立てだ。