・角田裕毅がF1シート喪失の胸中を初告白、失望しつつもまだ実感がないと心境を語る
・レーシングブルズのマシンへの愛着や昇格に触れ、フェルスタッペンとの差は一定と手応えも示す
・将来は未定としつつF1への強いこだわりを強調、まずはアブダビに集中する姿勢を示した
角田裕毅(レッドブル)が2026年にF1グリッドを離れることが正式発表されてから、初めて自身の胸中を語った。本人は「タフだ」と率直な思いを述べつつも、まだ状況を完全には消化できていないという。
カタールGP後、レッドブルはイザック・ハジャーが来季フェルスタッペンのチームメイトに昇格し、アービッド・リンドブラッドがレーシングブルズでリアム・ローソンと組むと発表。一方角田は、レッドブルとレーシングブルズのテスト兼リザーブドライバーに回り、2021年のデビューから5年でグリッドを離れることになった。
いつそれを知らされたのか問われると、角田は次のように語った。
「カタールのレース後に聞きました。もちろん失望しました。タフですね。ただ、まだ“自分が来年走らない”という実感が完全には湧いていません。翌朝も意外と平気で、アブダビのことを考えていました。理想的ではないですけど」
「ここでやるべきことは、カタールと同じです。できる限り競争力を発揮して、マックス(フェルスタッペン)を助けつつ、チームと自分のためにできるだけ上の順位で終えることです」
角田は2025年をレーシングブルズでスタートしたが、開幕直後の2戦目を終えた段階でローソンと入れ替わる形でレッドブルへ昇格。しかし、これまで多くのドライバーが苦しんできたフェルスタッペンの隣のシートは、角田にとっても容易ではなかった。
「後悔が全くないわけではありません。レーシングブルズのクルマは、レギュレーションが始まった最初の時期から自分が関わって開発したマシンで、その“DNA”が入っています。だから、手放したのは少し寂しく、後悔もあります」
「でも、ほとんど後悔はしていません。このシートが難しい理由も理解していますし、後半は特にチームが多くのサポートをしてくれました」
「最近はQ1敗退が多くて“苦しんでいる”ように見えるかもしれません。でも、自分とマックスの差は常に一定で、最後に0.45秒差だったのがいつか思い出せないくらいです。シーズン途中に乗り換えて、彼は4年乗ってきたクルマです。それでこれだけ近い差で走れているのは、過去のドライバーたちとは違う状況だと思っています」
角田は、来季以降の“レース活動”については具体的な判断を保留している。
「将来についてはマネージャーに任せています。自分はアブダビのことだけ考えています。新しい経験になるでしょう。ここ数年はレースを続けてきたので、きっと寂しくなると思います。でも、レッドブルとレーシングブルズの両チームの内部に入ることで、これまで想像もしなかった視点や学びを得られると思います。前向きに考えたいですね」
インディカーなど他シリーズへの挑戦が選択肢にあるのか問われると、角田は首を横に振った。
「F1が自分の人生です。他のカテゴリーのことを考えるには、まだ早い段階です。いまの自分にあるモチベーションはF1だけ。ほかのレースについては現時点では考えていません。ただ、自分を研ぎ澄ますための機会があれば、どんなチャンスでも全力で取り組みます」
ショッキングな知らせを受けた直後でありながら、角田は自分の役割を全うしようとしている。悔しさと前向きさの間で揺れながらも、まずはアブダビでの一戦に集中し、その後の未来を見据える覚悟を示した。
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