ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)が、テストを年間数回に制限するルール変更がなかったら、F1に復帰することはなかっただろうと明かした。
シューマッハは、7度のF1チャンピオンという大記録を打ち立てて2006年にフェラーリでいったんそのキャリアを終えた。だが、2010年にメルセデスがF1チームを立ち上げると、このチームに合流し現役復帰。今年で契約満了となるため、さらに2013年まで契約を延長するのかどうかに注目が集まっている。
シューマッハも今年で43歳。すでに誰もなし得ないほどの成功を収め、しかも億万長者であり2児の父でもあるのに、なぜ「家族との時間を楽しむ」だけで満足できないのだろうか。ドイツ紙『Bild(ビルト)』の質問に対して、シューマッハは次のように答えた。
「レースへの情熱、それが理由だ」
「それに、F1ドライバーだからといって家族との時間を楽しめないということにはならない」
「復帰を決めたとき、F1のルールが変わって“引退前”ほど時間を取られることがなくなっていたのも、1つの理由だった」
「以前はレースが1つ終わるたびにテストを行っていた。でも今は、シーズン中のテストがない。家族と過ごす時間もたっぷりとれる」
「そうでなければ、間違いなく、復帰はなかった」
ここ数年F1では、マシン開発のためにコースを実際に走行するテストの回数を削減しており、今年認められているのはシーズン前に3回、開幕後に1回の年間4回だけである。
今シューマッハは、2013年以降もF1を続けるかどうかを思案しているところだ。では、再び引退前の古巣フェラーリに戻ることは選択肢のなかにあるのだろうか。かつてシューマッハは、長年の低迷に苦しんでいたイタリアの名門に移籍してタイトルをもたらし救世主となったが、現在フェラーリは再び危機にひんしていると言われる。
「これだけは言える」とシューマッハ。「メルセデス以外のチームでキャリアを終える可能性はほとんどない。考えるまでもないね」