来年のF1冬季テストは、中東で行われるかもしれない。2013年シーズン開幕を前に、先週ヘレス・サーキットで行われた最初の合同テストを見守ったピレリのポール・ヘンベリーが希望している。もはやヘレスが冬季の走行に適したサーキットではないというヘンベリーは、次のようにブラジル『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙に語った。
「アスファルトのコンディションが原因で、ヘレスで得たデータを基準にタイヤを作れないんだ」
ヘンベリーは、ヘレスの路面がタイヤに極端な磨耗を強いるといっているのだ。つい最近の傾向と比べても、さらに路面が悪くなっているらしい。
「来年はバーレーンかアブダビに行ったほうがよさそうだね」とヘンベリーは語った。
しかし、ピレリにとってヘレスのテストは悪い話ばかりではなかった。各チームが走行を重ねた結果、タイヤはおおむね満足するレベルだったのだ。
「ドライバーとエンジニアのフィードバックは上々だったよ」とヘンベリーは明かし、次のように続けた。
「より速いタイヤ、中でも最高のグリップ(マシンを路面に接地させる力)をより早く得られるタイヤ、もっといえば、性能の頂点をもっと幅広いシチュエーションで得られるタイヤ、以上の目標をどうやら達成できたようだ」
「われわれが意図したのは、より大きなメカニカル・グリップ(マシンのメカニズムで得るグリップ力)だ。そうすれば空力の重要性を減らせる」
「そうなれば、大きなチームと中規模チームの性能差が少なくなることが予測できるからね」
ヘレスに続くテストは来週19日(火)からスペイン北部のカタルーニャ・サーキットで行われる。