レッドブルチーム代表のクリスチャン・ホーナーはF1の最高権威バーニー・エクレストンの後任となるのではないかという憶測を強く否定した。
しかし、贈収賄事件のまっただ中にいるエクレストンと親しいホーナーの名前は、パドックでもよく「エクレストンの後継者」としてあがっている。
元F3000ドライバーであるホーナーは、低迷するジャガーF1チームをエナジードリンク・ブランドのレッドブルが買収し、チーム代表に就任した。その後、6年足らずでチームをチャンピオンに導いた中心人物といえる。
ホーナーは既にフェラーリチーム代表のオファーがあるとされているが、イギリスの新聞はF1界の最高権威の仕事を任されるとの憶測に沸き立っている。
『The Times(タイムズ)』に寄稿するジャーナリストのケビン・イーソンは、F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)でさえも、ホーナーがエクレストンの後継者の最有力候補であると見なしているという。
「クリスチャン(ホーナー)は、チーム代表としてこれ以上何を達成しようとしているんだ? 彼は毎年同じことをしていたら飽きてしまう程賢い男だから、(F1最高権威の仕事は)気に入るに違いないよ」とFIAの関係者が述べている。
ホーナー自身は、素早く火消しにかかっている。
「想像もできないね。そんな地位に就くための準備ができていないよ」と語り、次のように続けた。
「今の仕事で私は100%幸せだ。それに、バーニー(エクレストン)がしている仕事をこなせる人間なんて他にいないと思うね。バーニーの調子をみていると、後継者問題なんてずいぶん先の話じゃないかな」
また、匿名の関係者が『The Guardian(ガーディアン)』にこう語っている。「バーニーと交代できるひとりの人間なんていないから、いつかその時が来たら役員会が取り仕切る事になるだろう。でもクリスチャンはその役員会に入れると思うよ。他のチーム代表なんかを見回しても、彼ひとりだけだね」
この関係者は、同時にホーナーがチーム代表連中からは煙たがられていることも明かしている。理由は「何でもノーと言いたがる」からだという。
レッドブルとマクラーレンに所属した元ドライバーのデビッド・クルザードも昔のボス(ホーナー)を推している。
「彼はチーム代表として実力を証明した。そしてそれ以上の仕事が出来ることもね。でも誰がバーニー・エクレストンの代わりなんてできるのか分からないね」
イーソンによると、メルセデスAMGのCEOであるニック・フライも後継者候補であるという。