F1公式サイトが、「レッドブルがペレスの後任として角田裕毅ではなくローソンを選んだ理由」とした記事でローレンス・バレット記者が見解を述べている。
■なぜ角田裕毅ではなく、リアム・ローソンが選ばれたのか?
「4シーズン目の角田裕毅は、これまでで最も印象的なシーズンを過ごしていたにもかかわらず、このような結果となった」とバレットは角田を評価した。
また、「昨年はチームメイトのニック・デ・フリースを上回る成績を収め、リカルドに対しても同様の成績を収めた。そしてローソンが今年の残り6戦に出場した際も、角田は予選で6-0で勝利、ローソンが4ポイントに対して8ポイントを獲得した」と角田は速さと結果を示したとの事実を述べた。
また、アブダビGP後のテストでも初めての本格的なテスト走行で「非常に印象的な仕事をした」と評価。
そしてこのテストは、角田裕毅を後押しする「ホンダが推し進めたテストだ」と語ったが、これについては、ホンダも日本のメディアに対して明かしている。そのホンダは来年はレッドブルと袂を分かち、アストンマーティンでワークスとして復帰する予定だと続けた。
そして、すでに日本のメディアの前でも度々語られてきたが、ホンダとしてはドライバーの決定権はチームにあることを承知しつつも、ペレスが退く場合、角田を昇格させるようレッドブルに直訴していたとみられると書いた。
■テスト前にすでに決定していた
しかし、「テストの時点ではすでに決定が下されていた」とバレットは断言している。
さらに、角田裕毅はレースおよびパフォーマンスで進歩を見せ、優れたフィードバックができること、そして激しい口調をセルフコントロールできることを証明して見せたと評価したが、「十分ではなかった」とした。
レッドブルは、ローソンは昨年と今年、2度も途中出場するという難しい立場だったが、その順応性などを見て、ローソンの方が角田よりも潜在的に高いポテンシャルを秘めていると考えているようだ。
実際、『ESPN』の取材でクリスチャン・ホーナー代表は「非常に厳しい」選択だったものの、ローソンが勝ったと認めている。
ローソンは、2年連続でシーズン途中からの出場で大きなプレッシャーがかかっている中で、統計的には角田裕毅に全面的に負けていたものの、好成績を収めていたと評価。そして、精神力と、バトルに対する強気な姿勢を高く評価した。こうした精神的な強さが、現代で最高のドライバーであるマックス・フェルスタッペンの隣に座る際に役立つと考えているようだ。
■角田裕毅にエール!成長すればF1界で注目される存在になれる
しかし、角田裕毅にもチャンスが訪れるかもしれないとF1公式サイトでバレットは書いている。
「角田は奮闘すれば、ふさわしいチャンスが得られるかもしれない。だからこそ、角田はこの敗北をしっかりと受け止め、来年再びレベルアップすることに集中することが重要だ。そうすれば、レッドブルでの活躍だけではなく、他のチームからも注目される存在となれるだろう」
角田裕毅は、これまでハースやザウバーとも噂されてきたが、ホンダが2026年から組むアストンマーティンへの移籍の可能性も残っているとした。
なお、角田裕毅のチームメイトには、今年のF2で年間2位となったアイザック・ハジャーが最有力候補だが、まだ契約は合意されていないとしている。