記事要約
・ホンダF1初優勝から60周年。角田裕毅と岩佐歩夢に続く次世代の若手について、HRC渡辺社長が語った。
・現在のF1は若手起用がトレンドで、2025年は18~22歳の新人ドライバーが次々参戦する。
・ホンダの次世代スター候補は、加藤大翔(17歳)と佐藤凛太郎(佐藤琢磨の息子)で、両者とも欧州から世界の頂点を目指す。
2025年3月4日(火)、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長が次世代のF1候補生として期待するドライバーを語った。
■世界に名を刻んだホンダ、F1初優勝から60周年
2025年はホンダが1965年にF1初優勝を果たしてから60年目の記念イヤーにあたる。元々2輪メーカーだったホンダは、4輪車生産を始めて間もない1964年、ヨーロッパ中心のF1界に大胆にも参戦。そして翌1965年、早くも初優勝を飾った。無名の日本メーカーが世界の強豪を相手に勝利したことは、日本のモータースポーツ史に残る偉業であり、世界がホンダを認めるきっかけとなった。
■日本人F1ドライバーの挑戦――最高位は未だ3位
ホンダの初優勝から22年後の1987年、日本人初のフル参戦F1ドライバーとして中嶋悟が登場した。それ以降、鈴木亜久里(1990年)、佐藤琢磨(2004年)、小林可夢偉(2012年)がそれぞれ3位表彰台を獲得したが、これが日本人F1ドライバーとしての最高位の記録である。60年の歴史を持つホンダでさえ、まだ日本人ドライバーのF1優勝は実現できていない。3位も素晴らしい成績だが、ホンダが目指すのは世界一だ。
■現在の主役は角田裕毅と岩佐歩夢
現在、F1の舞台で活躍する日本人ドライバーといえば、角田裕毅(24歳、レーシングブルズ)だ。彼はホンダの育成機関「ホンダ・レーシングスクール鈴鹿(HRS)」を経て、「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」出身のプロドライバーとして活躍中。現在もホンダと契約を結び、独立した立場でレーシングブルズからF1に参戦している。角田は5年目のシーズンを迎え、まだ表彰台こそ逃しているが、中堅チームでありながら何度も上位に食い込む活躍を見せている。
もう一人の注目株が、岩佐歩夢(23歳)だ。岩佐もHRSを卒業し、HFDPメンバーとして活動したが、現在はホンダとの契約はなく、日本のスーパーフォーミュラでレースをしながら、レーシングブルズ(旧アルファタウリ)のF1シミュレーター開発ドライバーを務めている。F1マシンの新パーツの評価や最適なセットアップを担当し、チームから高い評価を受けている。岩佐自身も、2025年のスーパーフォーミュラチャンピオンを狙い、F1参戦を目指している。
■ホンダとレッドブル、育成プログラムが終了へ
角田と岩佐はともにHFDP出身であるが、ホンダは2026年からパートナーをアストンマーティンに変更するため、現在レッドブルと行っている共同育成プログラムは2025年で終了する。両ドライバーにとっても、今後のキャリアに大きな転換点が訪れている。
■若手ドライバーへの流れが再燃、ホンダの次世代は?
近年のF1は予算制限の影響で、安定した結果を出すベテランドライバーが好まれてきた。しかし、昨年18歳のオリバー・ベアマンがフェラーリからスポット参戦して7位入賞を飾ったことで、若手ドライバー起用のトレンドが再び盛り上がっている。
2025年も、18歳アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、19歳オリバー・ベアマン(ハース)、20歳ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)、21歳アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、22歳ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)といった10代~20代前半の若手が注目を集めている。
そんな中、ホンダにも次世代を担う若手ドライバーは育っているのだろうか? 記者会見後、HRCの渡辺康治社長にTopNewsが直撃取材を行った。
渡辺社長は明確に答えた。
「もちろんいますよ。特に注目は加藤大翔(かとう・たいと)です」
■ホンダの新星――加藤大翔と佐藤凛太郎とは?
渡辺社長が期待を寄せる加藤大翔は17歳(2007年生まれ)。HRSを16歳で首席卒業し、HFDPメンバーに選出されると、2024年にフランスF4選手権に初挑戦でチャンピオンを獲得。2025年にはヨーロッパの激戦区であるFRECA(Formula Regional European Championship by Alpine)に参戦予定で、すでに中東選手権(FRMEC)ではルーキー優勝を飾り、そのアグレッシブな走りが大きな注目を浴びている。
もう一人の若手候補が、元F1ドライバー佐藤琢磨の息子である佐藤凛太郎(さとう・りんたろう)だ。凛太郎もHRSを首席で卒業してHFDPメンバー入り。2025年はフランスF4に挑戦し、加藤に続く形で世界を目指す。
世界のF1界が再び若手ドライバーに目を向ける中、ホンダの次世代スター候補の成長に注目が集まっている。