記事要約
・ヘルムート・マルコ博士とヨス・フェルスタッペンは、2025年のF1シーズンに向けてレッドブルが最速の車ではないと認識している。
・マックス・フェルスタッペンにはメルセデスやアストンマーティンへの移籍の可能性があるが、マルコ博士は「彼はすぐには移籍しない」との見解を示した。
・マルコ博士は、マクラーレンがバーレーンテストで圧倒的な速さを見せており、オーストラリアGPで1-2フィニッシュの可能性が高いと分析している。
■ マックス・フェルスタッペンの2025年F1シーズンは厳しい戦いに?
レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ博士と、マックス・フェルスタッペン(27歳)の父ヨスは、2025年シーズンのレッドブルが最速のマシンを持っていない可能性があると認めた。
クリスチャン・ホーナーのスキャンダルが依然として影を落としている中、ヨスは「レッドブルを信頼している」としつつ、「もし上手くいかないなら、それはマックスのせいではない」と語った。
■ フェルスタッペンの移籍話は現実味を帯びる?
フェルスタッペンが契約の解除条項を行使し、2026年にメルセデスやアストンマーティンへ移籍する可能性が以前から噂されている。特に、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールが、エイドリアン・ニューウェイの助言を受けてフェルスタッペンに総額10億ドル(約1,500億円)規模の長期契約を用意しているとの報道もある。
さらに2026年からのアストンマーティンはホンダのワークスチームとして参戦することが決まっており、レッドブルで世界一を築いたシャシー設計者とパワーユニットが揃っている。あとは世界一のドライバーを迎えるだけだ。
しかし、マルコ博士は「ニューウェイは純粋なレーサーであり、聡明な人です。彼はまず最速のドライバーを求めます。マックスにはオファーがありましたが、彼が臨むのは勝利だけです。F1関係者なら誰もがニューウェイが天才であることを知っていますが、成功は一夜にして訪れるものではありません。彼には優秀なチームが必要です」と語り、フェルスタッペンが「すぐに移籍することはない」との考えを示した。
■ 2025年のレッドブルは苦戦か?
一方でヨスは、レッドブルにプレッシャーをかけ続けている。「レッドブルはパフォーマンスを維持し続けなければなりません。良い車を造り続けることが重要です」。
そのヨスによれば、マックスはプレシーズンテストの最初はレッドブルの進化を評価していたが、その後「パーツ変更によってフィーリングが悪化した」という。
「元の仕様に戻しましたが、水曜日のフィーリングを取り戻すことはできませんでした」とヨスは述べ、レッドブルが「問題を完全には把握できていない」か「正しい対応をしていない」可能性を指摘。そして息子マックスの反応については「彼は満足していませんでした」と語った。
一方でマルコ博士は「マックスは2025年の世界チャンピオンになるでしょう」と宣言。「マックスは最速のマシンがなくてもチャンピオンになれます。もちろん手に入れられるのが望ましいですが。ただ、0.5秒の差は埋められません」と慎重な姿勢を見せた。
「2025年の目標は、ドライバーがより自信を持てるよう、より幅広い状況で使用できる車を作ることでした。この目標は達成しましたが、まだ完璧ではありません」