F1華やかな“火花の演出”に終止符か…日本GPで異常5赤旗、FIAが緊急見直し

2025年04月30日(水)12:43 pm

記事要約


・F1の象徴的な「火花ショー」が、スキッドブロック素材見直しにより消滅の可能性が出てきた。

・火花による芝の発火が上海や鈴鹿で問題化し、FIAが代替素材や地表処理の調査を開始。

・今後は鋼鉄などが採用される見込みで、火花は控えめになりF1のビジュアルに変化が及ぶ可能性も。


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■F1の「火花ショー」に終止符? スキッドブロック素材見直しへ

F1マシンの後方から放たれる華やかな火花──ナイトレースを中心にファンを魅了してきたこの光景が、近い将来見られなくなるかもしれない。

約10年前、F1はスキッドブロック(車体下部にある摩耗防止用の板)の素材としてチタンを採用することを義務付けた。これにより多くの火花が飛び散るようになった。当時の故チャーリー・ホワイティング競技委員長は「より多くの火花が見られるようになる。より壮観に見えると考える人もいる」と述べていた。

しかし、昨年の上海GPでは火花が原因で芝生が発火する事態が発生し、同一イベント内で2度、小規模な火災が発生した。

■鈴鹿で5回の赤旗、FIAが緊急対応へ

問題が深刻化したのは今年の鈴鹿、日本GPだった。火花が原因とみられる火災により、5回の赤旗中断が発生した。これを受け、FIA(国際自動車連盟)は先週のF1委員会会合でこの件を議題に取り上げた。

FIAは会合後の声明で「スキッド素材の代替案と、一部サーキットへの地表処理導入について調査を進めることで合意した」と発表している。

ドイツの『Auto Motor und Sport』誌によると、チタン製の金属片は「美しく輝くが、非常に長時間にわたって高温を保つ」ことが問題だという。「誰も火花が乾燥した芝に火をつける可能性を想定していなかった」と同誌は伝えている。

■代替素材は鋼鉄か 火花は“控えめ”に?

代替素材として有力視されているのはスチール(鋼鉄)。F1ジャーナリストのトビアス・グルーナー氏は「ファンを喜ばせてきたあの火花は、特にナイトレースではもうそれほど派手には見られなくなるかもしれない」と語っている。

今後、F1の象徴的な光景が変わる可能性がある。安全性を優先しながら、どのように「魅せるF1」を維持するのかが問われることになりそうだ。

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