記事要約
・アストンマーティン「ヴァルハラ」がモナコで公道デビュー
・F1技術を活用し1079PSを誇るPHEVスーパーカー
・限定999台、2025年後半より納車開始予定
アストンマーティン初の量産型ミッドシップ・ハイブリッドスーパーカー「ヴァルハラ」が、F1モナコGP週末を前に世界初となる公道での動的デビューを果たした。ステアリングを握ったのは、2度のF1ワールドチャンピオンであり、開発ドライバーを務めるフェルナンド・アロンソ。伝統のモナコ市街地サーキットを駆け抜け、注目を集めた。
■F1テクノロジーを注ぎ込んだ“究極”のハイブリッドマシン
ヴァルハラは、F1直系の先端技術を取り入れたアストンマーティンの最新スーパーカーであり、走行性能と洗練されたデザインを両立。車両開発には、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームのコンサルティング部門「アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ(AMPT)」がダイナミクス、空力、素材面で深く関与した。
その圧巻のパワートレインは、フラットプレーンクランク構造の4.0リッターV8ツインターボ(828PS)に3基の電動モーター(251PS)を組み合わせ、システム総出力は1079PS、最大トルクは1100Nm。0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は電子制御で350km/hに制限されている。
■アロンソ「ヴァルハラは真のスーパーカー」
AMR25風の「ポディウムグリーン」にライムグリーンのアクセントを施した車両は、F1フリー走行前にモナコ市街地を走行。カジノスクエアやトンネルなど名所をアロンソが走り抜け、初の“動く”パフォーマンスを世界に示した。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は次のように語った。
「この18か月、開発チームとともに取り組んできたプロジェクトが、F1モナコGPという場で世界に動的性能を披露できたことは、私にとってもブランドにとっても素晴らしい瞬間です。F1直系の先端技術と卓越したパフォーマンス、そしてアストンマーティンが誇るラグジュアリーを融合させたヴァルハラは、オンロードでもサーキットでも真のスーパーカーだと断言できます。何より、ドライバーとして心を震わせる走りを味わえる一台です。」
■CEO「モナコでの走行は歴史的瞬間」
アストンマーティンCEO エイドリアン・ホールマークは次のように語った。
「ヴァルハラが備える極限のパフォーマンスと前例のないダイナミックレンジは、開発チームにとって多くの新たな挑戦と可能性をもたらしました。F1の舞台であるモナコで、フェルナンドのドライブによりその成果が披露されたことは、アストンマーティンの112年にわたる歴史の中でも特別な瞬間です。」
■2025年後半から納車開始、世界限定999台
ヴァルハラは、アストンマーティン初の量産型ミッドシップスーパーカーであり、初のプラグインハイブリッドモデル。専用設計の8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)やe-モーター、電子制御式リアデフ(Eディファレンシャル)など最新技術を惜しみなく搭載。さらに前輪にも2基の電動モーターを配し、トルクベクタリングによる四輪駆動性能を実現している。
全世界での生産台数は999台限定。納車は2025年後半より開始される予定だ。
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