記事要約
・インディ500後の技術違反により3台が失格、順位・賞金が再計算に
・佐藤琢磨は11位→9位に繰り上がり、トップ10フィニッシュ達成
・EMSカバー改造やウイング不適合が原因、各チームに罰金と出場停止処分
第109回インディ500の決勝後、インディカーは技術検査の結果に基づき、アンドレッティ・グローバルの27号車および28号車、そしてプレマ・レーシングの90号車に対して重大なペナルティを科した。
これにより、アンドレッティ・グローバル(ホンダ)のマーカス・エリクソンとカイル・カークウッドは、それぞれ31位と32位に降格。プレマ・レーシング(シボレー)のカラム・アイロットは33位、すなわち最下位となった。
新たな正式順位では、優勝のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ/ホンダ)は変わらず、2位にデイビッド・マルーカス(AJフォイト・レーシング/シボレー)、3位にパト・オワード(アロウ・マクラーレン/シボレー)が繰り上がった。
この結果、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は、当初の11位から9位に繰り上がり、トップ10フィニッシュという結果になった。
■違反内容の詳細
アンドレッティ・グローバルの27号車と28号車には、ダラーラ社製の「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」カバーおよびカバーからAアームへの取り付け部に、未承認のスペーサーおよびパーツを用いた改造が施されていたことが判明。これにより、空力効率が向上していたという。インディカーの規則では、EMSカバーは供給された状態のまま、改造せずに使用することが義務付けられている。
適用された規則違反は以下の通り:
第9.3.1条:不正行為(スポーツマンシップに反する行為、危険行為、またはレースおよびインディカーに対する有害行為)
第14.1.2条:技術的な質問や申請は、原則として7日前までに提出・承認を受ける必要がある
第14.1.3条:認定サプライヤーから提供された部品は、改造を加えずに使用することが義務付けられている
一方、プレマ・レーシングの90号車については、フロントウイングの検査で、左側エンドプレートが規定された最低高さおよび位置を満たしていないことが確認された。
適用された違反規則は以下の通り:
第9.3.1条:不正行為
第14.7.6.8条:フロントウイングのエンドプレート高さ・位置に関する規定違反
第14.7.6.4条:設計上の位置からの逸脱
■ペナルティ内容
これら3台は最後尾(31~33位)に再配置された。この結果、賞金およびシリーズポイントも正式順位に応じて再計算されることになる。
加えて、各車両に10万ドル(約1,500万円)の罰金が科され、各チームの競技マネージャーには次戦デトロイト戦において1戦出場停止処分が下された。