記事要約
・フェルスタッペンに“退出条項”発動狙いの陰謀論が浮上
・本人も「タイトル争いしていない」と意欲の後退を示唆
・Instagramで「起こるべきでなかった」と反省コメント投稿
■浮上する陰謀論──フェルスタッペンの“体当たり”は契約条項狙いか?
F1スペインGPでのジョージ・ラッセルとの接触をめぐり、マックス・フェルスタッペンの行動に“陰謀論”が飛び交っている。
発端は、フェルスタッペンが今季のある時点でドライバーズランキング3位以下に沈んだ場合、レッドブルとの契約における“退出条項”が発動可能になるという、以前からささやかれていた噂だ。接触騒動の発生時点でフェルスタッペンはランキング3位。スペインGPの結果、首位のオスカー・ピアストリとの差は約50ポイントに拡大している。
この状況を受け、元F1ドライバーでSkyドイツの解説者を務めるラルフ・シューマッハは、「なぜあんな不必要なペナルティを自ら招くような行為をしたのか、"背景"に注意を払う必要がある。我々は"あの条項"の存在を知っている」と述べ、フェルスタッペンが意図的にリスクを取った可能性に言及。「今は重要な局面に差し掛かっている」と警鐘を鳴らした。
■「タイトル争いはしていない」──本人も意欲の後退を示唆
フェルスタッペン自身も最近のインタビューで、「自分がタイトル争いに加わっているとは一度も言っていない。そういう感覚もない」と発言。さらに、「マクラーレンがすべてを完璧にこなせば、倒すのは不可能だ。今季はそれが明白だ」とも語り、チャンピオンシップへの執着が薄れていることをうかがわせた。
Viaplayの解説を務めるオランダ人ドライバー、トム・コロネルも「マックスはバルセロナでのポイント喪失をあまり気にしていないと思う」と分析。「どうせタイトルは獲れないと悟って、自分の牙を見せにいったのではないか」との見解を示している。
■目的は“レッドブルからの脱出”?
仮に“退出条項”が実在し、かつ一定の成績条件を満たせば自由に契約を解除できるとすれば、今回のようなレース中の強硬な行動もその引き金になり得る。あえてペナルティを受け、ポイントを落とすことで自ら3位以下を確定させ、別のキャリア選択肢を模索しているという見方だ。
もちろん、これらはあくまで推測の域を出ない。だが、ここ数戦で見せるフェルスタッペンの苛立ちや迷い、そして意図を測りかねるような振る舞いの数々が、疑念に現実味を持たせていることもまた事実だ。
陰謀論が飛び交う一方で、フェルスタッペンはスペインGP翌日にInstagramを更新。「フラストレーションから起こるべきではない行為をしてしまった」と初めて反省の意を示しており、揺れる心情が垣間見える。
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