記事要約
・17歳リンドブラッドがF1へ“超特急昇格”、特別ライセンスも取得
・岩佐のスケジュール難とフェルスタッペン備えでF1実戦走行へ
・RB21は「マックスしか扱えない」中、オーストリアでアップデート投入へ
■17歳のリンドブラッド、F1へ異例の“超特急昇格”―マルコも明言
レッドブルのF1アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、若干17歳のアービッド・リンドブラッドをF1に“急ピッチで昇格”させようとしていることを認めた。
FIAは最近、17歳のリンドブラッドに対し、年齢制限18歳を飛び越えてF1スーパーライセンスの特別承認を与えた。現在F2に参戦中のスウェーデン系イギリス人ドライバーは、6月24日(月)にイモラで2023年型アルファタウリのマシンを使ってF1テスト走行を行い、走行距離を積み始めている。
マルコはオーストリア紙『クライネ・ツァイトゥング』にこう語った。
「月曜日はイタリアで半日、マシンに乗って準備を進めました。その後、シルバーストン(イギリスGP)では金曜フリー走行に現行車で出走する予定です」
■“スウェーデン×インド”の才能に自信
「彼は精神的にとても強く、自信に満ちています。彼のスウェーデンとインドの国籍は、どうやらレースに非常に適しているようです」
リンドブラッドをF1へ急ピッチで昇格させるのは、レッドブルの明確な方針だという。とはいえ、マルコは2025年シーズンのレースドライバー交代については否定的な姿勢を示している。
「いいえ、あくまでマックス・フェルスタッペンのペナルティポイントが本当に問題になった場合の備えです」
「もう一人のリザーブドライバーである岩佐歩夢は、日本でのレース活動とF1のスケジュールが重なってしまいます。我々は別チームともリザーブを共有する契約をしていた時期もあり、1人のリザーブが3チームを掛け持ちしていたこともありました」
「トップコンディションのドライバーを確保するのは簡単ではありません。だからこそ、今リンドブラッドを走らせているんです」
■レッドブル育成は健在、ただし“現在のF1は過酷”
マルコはまた、レッドブルの育成プログラムが今も順調であると強調した。
「フアン・パブロ・モントーヤの息子(セバスチャン・モントーヤ)も今やF2にいる。タレントの層は厚くて楽しいし、『スターは買うのではなく、育てる』という我々のモットーに沿って、プログラムは常に進化しています」
「ただ、今のF1は非常に厳しい環境です」
■フェルスタッペンだけが扱えるRB21、オーストリアでアップグレード投入へ
その言葉の真意について問われたマルコは、レーシングブルズのマシンはそれなりに扱いやすいとしつつも、「2025年型レッドブル(RB21)はマックス・フェルスタッペンにしか扱えない」と語った。
「もう2年も同じ傾向が続いています。縁石を飛び越え、ターンインではアンダーステア、そこからオーバーステアになる。作動ウィンドウが非常に狭いんです」
今週末のレッドブルのホームレース、F1オーストリアGPに向けて、アップグレードも準備されているという。
「オーストリアにはアップデートを持ち込みます。シルバーストンではさらに進化版になる予定です。ただし、それでもうまくいかなければ、選手権争いは非常に厳しいものになるでしょう。今ですら十分に厳しいのですから。」
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