2025年7月14日(月)、ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)は、鈴鹿サーキット南コースにてカートスクール「サマースクール2025」を開催した。今回はEXGEL MAX CHAMPとのコラボレーションにより実現したもので、国内外から47名の若手カートドライバーが参加。将来のモータースポーツ界を担う選手たちに向けた、実践的かつ充実したプログラムが展開された。
HRSでは2024年をもって「カートクラス」の区切りをつけ、現在はフォーミュラクラスに特化した育成プログラムへと移行している。しかしその一方で、カートが持つ教育的価値を見直し、新たな形での取り組みが検討されていた。今回のサマースクールは、そうした再構築の第一歩となる記念すべきイベントだ。
開催日は、EXGEL MAX CHAMP最終戦の翌日。Mini Max、Junior Max、Senior Maxの3クラスから集まった精鋭たちが、HRSの南コース指導ノウハウを活かした特別プログラムに挑んだ。
スクールの講師を務めたのは、HRSプリンシパルの佐藤琢磨、エグゼクティブダイレクターの中野信治に加え、現役のトップドライバーでありHRSのインストラクター兼EXGEL MAX CHAMPのドライビングコーチでもある佐藤蓮(SUPER GT/スーパーフォーミュラ)と野村勇斗(スーパーフォーミュラ・ライツ)の4名。まさに“プロ中のプロ”による直接指導が行われた。
当日は、前日のレース疲れをまったく感じさせないほど元気な選手たちが早朝から集合。「早く走りたい!」という高揚感のなかで開会式が行われ、佐藤プリンシパルは、安全走行やマナーの重要性、そしてレース後だからこそ意識すべき体調管理の重要性について語りかけた。
走行プログラムは、通常の走行だけでなく、安全を確保したうえでの逆方向走行や、テクニカルなブレーキング練習など、多角的なメニューが用意された。特に逆走セッションでは、普段とは異なる視点からコースを理解し、適応力や応用力の向上が図られた。
ブレーキ練習では、コース上では見落としがちな繊細なテクニックを、佐藤蓮と野村が丁寧に個別指導。選手たちは短時間で見違えるような上達を見せた。
終盤には、記念レース形式のセッションも実施。講師陣も全員が出走し、実戦さながらの“本気の走り”を披露。走行後には、選手たちが講師陣に積極的に声をかけ、アドバイスを求める姿が多く見られた。
HRSが重視するのは「積極性」。今回のサマースクールは、ただ走行技術を学ぶだけでなく、講師との対話を通じて人間性や思考力を磨く機会としても、大きな意義を持つ場となった。
「3月にMAX CHAMP開幕戦を視察しました。参戦台数も多く、レベルも高い、そして活気あるこの選手権の様子を見て、鈴鹿をフィールドに活動してきたHRSとしても選手のレベルアップ、そして選手権の盛り上げに寄与したいと考え、今回のサマースクール開催を決めました。
HRSが培ってきた走行プログラムは、選手たちにとって貴重な経験になったと思います。我々としても、次世代を担う優秀な選手たちと充実したコミュニケーションができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。何より、選手たちのたくさんの笑顔を見ることが出来、良いスクールになったと思います。
今回参加してくれた選手の今後の活躍がとても楽しみです。今後もこのような繋がりを大切にしながら、HRSとして積極的に若手育成に取り組んでまいります。
今回ご協力いただきましたEXGEL様、MAX CHAMPに関わる皆様、そして保護者およびチームスタッフの皆様、ありがとうございました。」
真剣に向き合う佐藤琢磨と中野信治
佐藤蓮(SUPER GT/スーパーフォーミュラ)
野村勇斗(スーパーフォーミュラ・ライツ)
HRSが重視するのは「積極性」だ