・FIAの慎重すぎる判断によりベルギーGPは“茶番”と批判続出
・フェルスタッペンやハミルトンがスタート遅延を痛烈に非難
・ルクレールら一部ドライバーは安全優先の判断を支持
F1第13戦ベルギーGP決勝は、FIA(国際自動車連盟)の慎重すぎる判断によって雨中の名物レースが“茶番”と化したとの批判が噴出している。レースは激しい雨により長時間の中断を経て、セーフティカー先導によるローリングスタートで開始。完全なウェットコンディションでのスタートは回避された。
マックス・フェルスタッペンはこう嘆いた。
「こうやって美しいクラシックなレースを台無しにするんだ。どうせなら『完全に乾くまで待って、スリックでスタートしよう』って言ったほうがマシだよ。これじゃ“ウェットレース”とは呼べないよ」
FIAとは度々対立してきたフェルスタッペンは、今回も強く批判した。
「FIAは自分たちのやりたいようにやる。彼らが決めるんだ。これは残念なことだよ。もうあのクラシックな雨のレースは二度と見られないだろうね」
レッドブルのヘルムート・マルコ博士も同様に不満を露わにした。
「運営手順そのものを見直す必要がある。2〜3周セーフティカーで走れば水を掃けられたはずで、1時間早くスタートできたよ」
「この遅れで我々のレインセットアップ戦略は全く無意味になった。何の問題もなくレースを始められたはずだったのに」と付け加えた。
FIAのレースディレクター、ルイ・マルケスには多方面から批判が集中。スペイン『Marca』は「F1史上最大のナンセンス」と断じ、デンマークの『Ekstra Bladet』は「グロテスクなまでの躊躇」と非難した。
元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンも『Viaplay』で「この天候で走れなきゃダメだ。これは危険なスポーツであって、それを受け入れる覚悟がなければ、間違ったスポーツにいることになる」と強く主張した。
一方で、慎重な判断を支持する声もある。
シャルル・ルクレールは「過去に何があったかを考えれば、スパのようなサーキットでは忘れてはいけない。早すぎる判断より、安全を取った方がいい」と述べた。
レース優勝者のオスカー・ピアストリも「前を走るのがランドだけでも何も見えなかった。後方のドライバーがどれだけ視界が悪いか、想像がつくと思う」と語った。
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションの共同ディレクターを務めるカルロス・サインツは、「スパの過去を考えれば、リスクを取りすぎるより慎重すぎる方が正しい」と判断を支持した。
だが、7度のワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンはフェルスタッペンに同調した。
「僕たちはずっと『準備はできてる』と言ってたのに、FIAは前回(シルバーストン)我々が“早すぎる”と言ったことを気にしすぎて、今回はその逆になっただけだ」
「マックスの意見には完全に同意するよ。スタンディングスタートでも問題なかった。グリッドはほぼ乾いていたし、その先もスプレーは少なかった」と語った。
ニコ・ヒュルケンベルグは「雰囲気をぶち壊された」と表現し、スペイン『Soy Motor』のヘスス・ムニョス記者は「F1(の魅力)を奪われた。そしてもっとひどくなるだろう」と憂いた。
●【F1-LIVE速報】F1ベルギーGP
●【F1ベルギーGP】開催日時・タイムスケジュール・結果
●【ポイントランキング】F1ベルギーGP終了後