・キャデラックが2026年のF1参戦に向けペレスとボッタスを起用
・両者は通算527戦出走・16勝の経験を持ち、複数年契約で復帰
・ロードン代表やGM首脳が歓迎し、長期的なチーム構築を強調
キャデラックは2026年のF1参戦に向けたドライバーラインナップを正式に発表した。選ばれたのは、優勝経験のあるセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスのベテランコンビだ。
2026年から11番目のチームとして参戦するキャデラックF1チームは、アメリカの自動車メーカーGM(ゼネラルモーターズ)の支援を受け、元マルシャF1のスポーティングディレクターだったグレアム・ロードンが率いている。
キャデラックはドライバー選定にあたり経験を重視した。「ボッタスとペレスは、経験、リーダーシップ、そして技術的知見を兼ね備えた無二のコンビ」と評し、「即戦力」として期待している。2人合わせて通算527戦出走、獲得表彰台は100回を超え、16勝を記録している。キャデラックは実績豊富なペレスとボッタスを複数年契約で起用する決断を下した。
「ボッタスとペレスのような経験豊富なドライバーを起用することは、我々の強い決意を示すものです。彼らはF1で成功するために必要なすべてを知っており、そしてチームを築く意味を理解しています」とロードン代表は語った。
「彼らのリーダーシップ、フィードバック、戦い抜いた直感、そしてスピードは、このチームを形作るうえで計り知れない価値があります。協力と理解を示してくれたメルセデスに心から感謝します」
2024年末にF1シートを失った2人にとって、これは劇的な復帰となる。ペレスはレッドブルを離れ、家族と過ごしながら将来を熟考していた。一方、ボッタスはザウバー離脱後もメルセデスのリザーブドライバーとしてパドックに残っていた。
メキシコ出身のペレスは、ザウバー、マクラーレン、フォース・インディア/レーシングポイントを経て、レッドブルで2022年と2023年のコンストラクターズタイトル獲得に貢献してきた。
「キャデラックF1チームに加入することは、私のキャリアにおいて信じられないほどエキサイティングな新章です」とペレスは語った。
「最初の会話から、このプロジェクトの情熱と決意を感じました。チームを一から作り上げ、いずれはフロントで戦うチームに育てる一員になれることを誇りに思います」
「キャデラックはアメリカのモータースポーツにおける伝説的存在です。そのブランドをF1へ導く責任は非常に大きいですが、自信を持って挑みます。アメリカ大陸全体からの応援を力に、皆さんに誇りに思っていただけるチームを目指します」
メルセデス時代に2017年から2021年まで5年連続でコンストラクターズタイトルに大きく貢献したボッタスは、次のようにコメントした。
「キャデラックF1チームと話し始めた瞬間から、他とは違うものを感じました。これは単なるレースプロジェクトではなく、長期的なビジョンです」
「ゼロから始まり、F1にふさわしいチームを一緒に築いていくチャンスは滅多にありません。私は世界最高のチームと共に働いてきましたが、ここにも同じプロ意識とハングリー精神を感じています」
「アメリカの象徴的ブランドが世界のF1ステージに立つ、その瞬間の一部になれるのは特別なことです。世界中のサーキットでアメリカのレーシングスピリットを体現できることを楽しみにしています。協力を惜しまなかったメルセデスに深く感謝します」
キャデラックF1チームおよびTWGモータースポーツ(TWGグローバル傘下)のCEO、ダン・トーリスは「ボッタスとペレスは才能、成熟、そしてドライブを兼ね備えています。彼らは単なるレーサーではなく、チームを築く仲間であり、プロフェッショナルです。この瞬間はアメリカのモータースポーツにとって新たな章の始まりです」と述べた。
さらにGM社長マーク・ロイスも「2人の加入はキャデラック・レーシングファミリーにとって歓迎すべきことです。彼らは豊富な経験と勝利への情熱を持っています。我々はキャデラックとGM、そしてF1の未来に誇るべき遺産を築き上げていきます」と加えた。