・HRCが加藤大翔の2026年FIA F3参戦を発表。ホンダ育成としては岩佐歩夢以来5年ぶり。
・FRECAで表彰台2回を獲得した加藤は、ARTグランプリからステップアップし、佐藤琢磨らの支援を受け成長。
・日本人4名が2026年FIA F3に参戦予定で、加藤はその中心として期待を集めている。
ホンダ・レーシング(HRC)は11日、育成ドライバーの加藤大翔が2026年シーズンにFIA F3選手権へステップアップすると発表した。今季FRECA(フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ)で活躍した加藤は、来季も引き続きARTグランプリから参戦し、これまで共に戦ってきたエンジニア陣とともに上位カテゴリーへ挑む。
ホンダ育成ドライバーとしてのFIA F3参戦は、岩佐歩夢以来5年ぶり。角田裕毅(レッドブル)に続く将来のF1候補として、加藤への期待が高まっている。
2026年のFIA F3には、加藤を含む日本人ドライバー4名が参戦することが決定している。ARTグランプリからは加藤大翔に加え、すでに発表されているりー海夏澄、ファン・アメルスフォールト・レーシング(VAR)から山越陽悠、そしてハイテックGPから中村仁がエントリーする。
この4名はいずれも今季FRECAでしのぎを削ったライバル同士。シリーズ終盤まで激しいポイント争いを繰り広げ、年間ランキングでは加藤が7位、山越が9位、中村が10位、りーが14位でシーズンを終えた。
加藤は2024年のフランスF4でチャンピオンを獲得。翌2025年はFRMEC(フォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト選手権)に参戦し、ルーキークラスで優勝1回を含むランキング4位の成績を収めた。
初挑戦となったFRECAでは、初めてサスペンションを含む本格的なセッティングを学びながら、初めて走るヨーロッパのサーキットが多い中で苦戦しながらも速さを発揮し、2度の3位表彰台を獲得。シーズンを通して確かな成長を見せた。
HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)は、若手ドライバーの育成を目的としたホンダのプログラムで、角田裕毅も同プロジェクト出身だ。
加藤はHFDPの一員として、佐藤琢磨や中野信治の現地サポートを受けながら経験を積んできた。チャンピオンを獲得したフランスF4ではセッティング変更の範囲が限られていたが、FRECAでは上位カテゴリー同様にサスペンションなどのセットアップ変更が可能となり、より高度な対応力が求められる。その中で、エンジニアとの緻密なコミュニケーションを重ねてきた。
佐藤琢磨らの指導方針は「自ら考え、動くこと」。琢磨は必要以上に助言することはせず、本人が相談してきた時に「僕ならこうするよ」とヒントを与えるスタイルを取っているという。また、担当エンジニアにも「大翔はこういうことに悩んでいるから、こういう相談をしてくるかもしれない」と伝え、加藤自身が考えながら成長できるよう支援している。
さらに、上位カテゴリーで活躍するために欠かせない体力強化や栄養管理についても、専門家によるフィジカルトレーニングと食事指導の体制が整えられている。
HFDPは「世界で戦えるドライバーを育てる」ことを目的としており、海外では佐藤琢磨と中野信治、国内では武藤英紀、野尻智紀、大津弘樹らが指導を担当。関係者への取材からも、その育成体制に対する本気度がうかがえる。
HRCの渡辺康治社長も若手ドライバー育成を重要戦略として掲げており、加藤大翔への期待は大きい。
ただし、レースの世界は常に厳しい。トップドライバーたちも皆、その現実を経験してきた。1年1年が勝負の世界であり、加藤は今季1年間ともに戦ってきたARTグランプリとともに、より高いレベルのFIA F3でも上位争いを目指す。
2026年シーズンのFIA F3は、ホンダ育成ドライバーの加藤をはじめ、トヨタ系ドライバーを含む計4名の日本勢が、ヨーロッパの舞台で存在感を示すシーズンになりそうだ。
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