・フェラーリはメルセデスに次ぐ2番手を確保しつつも開発を継続、独自技術や大型アップデートを準備中
・中東2連戦の中止で開発期間が延び、マイアミGPで“1.5回分”のアップデート投入の可能性が浮上
・バスールはエンジン差を認めつつ総合改善を重視、追加のレギュレーション変更には反対姿勢を示した
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2026年シーズン序盤において、フェラーリは圧倒的な強さを見せるメルセデスに次ぐ2番手の位置を確立しつつある。
しかしフェラーリは、現状に満足する様子を見せていない。開幕から2戦を終えた時点で、フェラーリはトップ4のライバル勢であるマクラーレンやレッドブル・レーシングに対しては明らかにリードしているものの、メルセデスの絶対的な速さにはまだ届いていないのが現状だ。
こうした状況の中でも、フェラーリは開発の手を緩めることなく進化を続けている。今季これまでに、リアウイングが180度回転する「マカレナ・ウイング」をはじめ、リアライトや排気口付近に配置された小型ウイングなど、独創的なアイデアを次々と投入し、さらにスタート性能の高さも際立っている。
また中国GPでのフリー走行では、コックピット保護装置「ヘイロー(HALO)」基部に小型ウイングを装着するテストも実施したが、合法性を巡る他チームの反発を懸念し、この案はすでに撤回されている。
それでもフェラーリは、貪欲な開発姿勢を崩していない。
チーム代表フレデリック・バスールは、大規模なアップグレードパッケージを準備中であり、マイアミGPを前にイタリア・モンツァで行うフィルミングデー(プロモーション撮影を目的とした走行日)で評価する予定だと明かした。
「本来は(4月の)バーレーンGPでアップデートを投入する計画でしたが、(5月の)マイアミGPまで延期せざるを得ませんでした。第4戦マイアミGPでの導入となります」
中東情勢の影響で4月開催予定だったバーレーンGPとサウジアラビアGPのレースが中止となったことで、各戦の間隔が長くなり、フェラーリの開発スケジュールにも変化が生じている。
「各戦の間隔が長くなったことで、マイアミに向けて追加の解決策を準備することが可能になります。“1回半のアップデート”のような形になるかもしれません」とバスール代表は説明した。
「作業スケジュールはあらかじめ設定していましたが、それに応じて調整していきます」
一方でバスール代表は、現時点でメルセデスが明確なアドバンテージを持っていることを認めており、特にエンジン性能において差があると指摘した。
「我々としては、さらに速さを引き上げたいと考えています。パフォーマンス差があることは分かっていますし、特にストレートでは改善すべき課題があります」
またバスール代表は、今後導入が予定されているエンジンの圧縮比チェックに関する技術指令についても、勢力図を劇的に変えるものにはならないとの見方を示している。
「圧縮比に関する技術指令が大きな影響を与えるとは考えていません。ただ、いずれADUO(救済措置)が導入されるでしょうし、それによって我々が差を縮めるチャンスが生まれるはずです。
とはいえ、フェラーリの課題はエンジン性能だけではありません。一つの要素だけに注力するべきではなく、マシンのあらゆる側面を向上させる必要があります。タイヤ、空力、シャシー、サスペンション、すべてに取り組まなければなりません。現時点ではマクラーレンやレッドブル・レーシングより前にいますが、彼らも必ず改善してくるでしょう」
またバスール代表は、今季グリッド全体で見られる特殊なスタート挙動への対策として、さらなるルール変更を行うことには強く反対している。この分野は現在、フェラーリが強みとしている領域でもある。
「1年前に私が問題が起きると警告したとき、誰もが“現行ルールに基づいてマシンを設計すべきだ”と言っていました。だから我々はその通りにしたのです。
それにもかかわらず、その後はスタート時の(加速に必要なブースト圧を高めるために)5秒間追加や、そのためのブルーライト点滅など、すでにルールは変更されていますが、それは我々にとって助けにはなりませんでした。もう十分でしょう。この問題は我々にとっては終わったことです」
なおフェラーリは、中国GPのフリー走行後に一度見送ったリアウイング「マカレナ・ウイング」を、日本GPで再投入する見込みだ。
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