・FIAは2026年規則を微調整方針とし、議論継続へ
・エネルギー管理偏重により競技性の変化への懸念が強まる
・技術調整で改善可能との見方と、説明不足を指摘する声も出る
F1を巡る2026年レギュレーションに関する話し合いを受け、初となる4月の緊急協議が終了した。現時点でFIA(国際自動車連盟)は「微調整」にとどめる姿勢を示しているが、より大きな変更を求める動きが強まっているのは明らかだ。
FIAは4月9日の会合後、次のように発表した。
「2026年F1レギュレーションの変更の可能性について話し合う一連の会議の初回が、本日開催されました。エネルギー管理の分野におけるレギュレーションの一部について微調整を行うことで、概ね合意が得られました」と説明している。
今後も会議は継続され、4月15日と16日には技術分野に関する会合が予定されている。そして4月20日には、「優先案」を議論する重要な会合が開かれる見通しだ。
今回の問題の核心にあるのは、エネルギーマネジメントへの過度な依存だ。特に予選では、ドライバーが全開でアタックするのではなく、ストレートや高速コーナーでアクセルを緩めざるを得ないケースが増えている。
元レッドブルF1アドバイザーのヘルムート・マルコ博士は、この変化がF1の本質を大きく変えてしまったと指摘し、マックス・フェルスタッペンが休養やF1離脱の可能性を示唆した背景にもなっていると述べた。
「マックスは生粋のレーサーです。現在のレギュレーションはエネルギーマネジメントに極端に依存しており、ソフトウェアエンジニアとの連携なしには成立しません。ドライバーは主役の座を奪われてしまったのです」とマルコ博士はドイツのメディア『motorsport-magazin.com』に語った。
また、マルコ博士は今回の調整についても慎重な見方を示している。
「調整は行われるでしょうが、再びドライバーが主役に戻れるかどうかは、現時点では判断できません」
一方で、実質的な改善は比較的シンプルに実現可能だとする声もある。
元F1エンジニアのトニ・クケレラはスペイン紙『Marca』に対し、ハイブリッドシステムを完全に再設計するのではなく、バランス調整を行うことが解決策になる可能性があると語った。
「最小限の変更でも、レースの進行や予選のあり方に大きな影響を与えることができます。現在は350kWの電力を使用していますが、ストレートの途中までしか持ちません。電動モーターの出力を下げれば、ストレート全体で使えるようになります」
また、元F1ドライバーで現フォーミュラEドライバーのジャン・エリック・ベルニュはスペイン紙『AS』の取材に対し、今回の反発の一因はコンセプトそのものに対する誤解にある可能性を示唆した。
「F1はなぜ電動比率を50%に引き上げたのか、そしてそれによって何が変わるのかを、十分に説明してこなかったのかもしれません」
2026年レギュレーションを巡る議論は、単なる技術論にとどまらず、「ドライバー主体の競技か、それともエネルギー管理主体の競技か」という、F1の根本的な価値を問うフェーズに入りつつある。
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