・ピレリは開発進展に伴い、2026年は戦略の多様化と2ストップ増加を予測
・序盤は1ストップ主流も、想定以上の「タイヤの持ち」が戦略を固定化
・マシン性能向上でタイヤ負荷増大へ、1・2ストップ差の縮小が目標
イタリアのタイヤメーカーであるピレリは、F1チームがマシン開発を進めるにつれ、2026年シーズンではレース戦略の多様化が進むと見ている。
開幕戦では1ストップ戦略が主流となっているが、独占タイヤサプライヤーであるピレリのモータースポーツ責任者マリオ・イゾラは、今後その状況が変化する可能性があると語った。
「いずれ、多種多様な戦略バトルが再び見られるようになるでしょう」とイゾラはドイツ誌『Auto Motor und Sport』に語っている。
ピレリは現在のタイヤを、各チームから提供された予測データをもとに設計しており、新レギュレーション下での開発は極めて複雑なものとなっていた。
「すべてのチームにデータ提供を依頼しました。新型マシンがどれほどタイヤに負荷をかけるのか、その限界値を把握したかったのです」
しかし、シーズン序盤の状況を見る限り、ピレリの想定は安全を見越してやや保守的すぎた可能性があり、多くのドライバーが1回のピットストップで容易にレースを走り切っている。
「開発は簡単ではありませんでした。テストに使えたのはミュールカーだけでした」とイゾラは振り返る。ここでいうミュールカーとは、旧型車両を改造したテスト用マシンのことを指す。
「実際のマシンはアクティブエアロ※を搭載しています。それにより今では直線での負荷は軽減されましたが、その分、コーナーでの激しい動きがタイヤにとっての新たな課題となっています」
※アクティブエアロ:前後のウィングを動かすことでダウンフォースをコントロールし、トップスピードを上げる。
また、現在のグリップレベルも当初の想定より低いという。
「ドライバーが得られるグリップは、およそ10%低下しています」とイゾラは明かし、その理由としてダウンフォースの減少やタイヤ幅の縮小を挙げた。
ただし、今後チームの開発が進むことでパフォーマンスは大幅に向上し、それに伴ってタイヤへの負荷も増加すると見られている。
「いずれエンジニアたちは、バッテリーをより効率的に充電する方法を見つけるでしょう。そうなればドライバーは再びコーナーで強く攻められるようになります」
その結果、レース戦略の重要性が再び高まる可能性がある。
「目標は、1ストップと2ストップそれぞれの戦略におけるレースタイムの差を最小限にすることです。」
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