・2026年のF1新規則に対する批判が、パドックの枠を超えて急拡散
・リザーブドライバーのオワードも「F1への興味を失った」と、システムの複雑化に冷ややかな声
・ハントの息子やミック・シューマッハらも現代F1を痛烈批判、V8エンジン復活を望む声
FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スライエム会長は、物議を醸している2026年の新レギュレーションへの批判に対し、「不満を言っているのは“遅れている人たち”だけだ」と主張しているが、議論は今やパドックを超えて広がっている。
この反発は、現役F1ドライバーだけでなく、他カテゴリーのスター選手や元ドライバー、そしてF1の歴史に深く関わる人物からも次々と上がっている。
特に注目を集めているのは、マクラーレンのリザーブドライバーであり、現在はインディカー※に参戦しているパト・オワードの発言だ。
※インディカー:アメリカを中心に開催されているフォーミュラカー(オープンホイール)による自動車レース
ポッドキャスト番組『Formula Latina』に出演したオワードは、今はF1レースをほとんど見なくなったと明かした。
「今年はF1のレースを一度も見ていないんです。予選すら見ておらず、何も追っていません」
「自分がマクラーレンのリザーブチームにいることは分かっていますが、本当に興味を失ってしまったんです。年齢のせいかもしれませんが、今のF1には魅力を感じないのです」
「だから今はインディカーにいられてとても満足しています」と語った。
また、1976年のワールドチャンピオンであるジェームス・ハントの息子、フレディ・ハントからも批判の声が上がっている。
イギリスの新聞『Telegraph』の取材に対し、元レーシングドライバーのハントは、ハイブリッドが大きな比重を占める現在のF1を「(ドライバーの)意欲をそぐもの」と表現した。
「まるでAIに支配されているようです。このバッテリー(電力)の力に頼ってるだけでも十分酷いですね」
現代のF1について父ならどう思うか、と問われたハントはこう答えた。
「きっと父なら『これはくだらない』と言い放って、他の仕事を探すでしょうね」
さらに、ダカールラリー※の参戦経験を持ち、テレビ司会者として知られるヘスス・カジェハも、スペインのスポーツ新聞『Marca』のインタビューで不満をあらわにした。
※ダカールラリー:世界最高峰の過酷なオフロードラリー
「まったく気に入らないですね。とにかく理解できません。キロワット(出力)がどうのこうのという話も、パワーを削ったり、足したり、これからはもっとパワーが出せるようになるとか…。結局のところ、ドライバーの実力よりもマシンの優劣で全てが決まってしまいます」
一方、元ハースのドライバーであるミック・シューマッハも、インディアナポリス500への参戦準備を進めるなかで、同様の懸念を示した。
「今のF1は、技術的な観点から見ると、非常に複雑すぎるように思います。おそらくエンジニアリングに焦点が当たりすぎているのでしょう。マシンは以前のように、直感的にドライブできるものではなく、常に100パーセントで攻め続けることもできないかもしれません」
またシューマッハは、多くの現役および元F1関係者と同様に、将来的なV8エンジンへの復帰を支持している。
「将来的に状況が変わり、V8エンジンが復活することを心から願っています。そうなれば最高ですね」
「F1にはあのサウンドと、大きなエンジンが必要だと思います。それこそが、私にとってのF1です。」
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