F1の物議を醸しているADUOエンジン支援制度を巡り、FIAが正式に決定内容を説明する前から、政治的駆け引きだとの批判が噴出しているようだ。
統括団体であるFIAは今週、詳細を説明するとみられているが、漏れ伝わっている情報によれば、メルセデスとフェラーリが開発面での優遇措置を受ける一方、レッドブル・フォードは対象外になるという。
ADUO制度は、大きな議論を呼んでいる2026年の新PU(パワーユニット)規則の下で、後れを取ったメーカーを支援するために設けられたものだ。
パドックでの報道によれば、レッドブルの内燃エンジンが基準値と評価され、支援の対象外になったとされる。
しかし、メルセデスがシーズン序盤から圧倒的な強さを見せていることを考えれば、この評価に驚く関係者も少なくない。
メルセデスについては、FIAが同社のエンジンを基準値から約2%遅れていると判断したと報じられている。
フェラーリは4%以上後れているとみられており、追加の開発時間、追加資金、ホモロゲーション※の柔軟性拡大など、より幅広い優遇措置を受けられる可能性がある。
※ホモロゲーション:FIAが定める技術規則に適合したPUとして公式に承認されること。承認後は、原則として自由な仕様変更が制限される
一方、ホンダF1は最も後れていると報じられており、その差は6〜8%と推定されている。
アウディはフェラーリとホンダの間に位置するとみられ、初のF1パワーユニット開発を進める中で、大きな支援を受ける資格を得ると考えられている。
オランダ人レーサーのトム・コロネルは、この順位付けについて理解しにくいとの見方を示している。
「噂を聞いただけです」とコロネルは、スウェーデンの『Viaplay』に語った。
「今は、フォードが最強のエンジンを持っていて、メルセデスが2番目に強いエンジンだと言われています」
そのうえで、コロネルは指を2本立て、F1の政治的な側面について冗談交じりにこう語った。
「言い換えれば、メルセデスのロビイスト(ロビー活動)は非常にうまくやっているということです。きっと、かなりいい報酬を受け取っているでしょうね」
コロネルは、そこには純粋な技術評価以上のものがあるのではないかと疑っている。
「もちろん、大きな政治ゲームです」
今回の論争の中心にあるのは、ADUO制度が内燃エンジンの性能だけを測定しているという点だ。
重要なのは、バッテリー性能、エネルギー回生システム、電動出力が考慮されていないことだ。これらはいずれも、電動化の比重が大きい2026年F1レギュレーションの下では大きな要素となる。
レッドブルは、自陣営のPUが最高性能を発揮できる条件は非常に限られており、ピーク時の出力だけでパワーユニット全体の実力を判断するのは適切ではないと主張しているとされる。
特定の温度や燃焼条件、セッティング、エネルギーマネジメントの範囲では高い性能を発揮できるものの、その「性能発揮条件の幅」は狭く、条件が少し外れれば本来の力を発揮しにくいという見方だ。
そのため、最高値だけを基準に「レッドブルが最強」と判断し、ADUO制度の対象外とするのは実態を正しく反映していない、というのがレッドブル側の主張とみられる。
現時点でレッドブルF1は、他の領域でパフォーマンスを見いだすことに集中しており、テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、さらなるアップグレードが予定されていることを認めた。
「バルセロナでは、いくつか小さな開発パーツを持ち込みます」とワシェはフランス局の『Canal Plus』に語った。
「しかし、オーストリアでは、より大きなアップグレードパッケージを投入します」
また、ワシェは、レッドブルが規定最低重量に近づけるため、マシンに残る余分な重量を削る作業を続けていることも明かした。
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