著名な脳神経外科医は、ミハエル・シューマッハが娘ジーナ・マリアの結婚式に参加していた可能性が高いという報道に疑問を呈した。ジーナがマジョルカにある家族の別荘で結婚式を挙げたことから、55歳となったシューマッハがその場にいたという憶測が広がっていた。シューマッハは2013年の脳損傷事故以来、この別荘で多くの時間を過ごしていると噂されている。
■専門医が状況を予測、一般的な見解示す
しかし、フィンランドのトゥルク大学病院で脳神経外科と外傷性脳損傷を担当するユッシ・ポスティ医師は、シューマッハが娘の「はい、誓います」という言葉を聞くのに十分な健康状態であったかどうか疑問を呈し、フィンランドの新聞『イタレヘティ(Iltalehti)』に次のように語った。
「もし彼のために自宅に病院並みのケア体制が整えられているのであれば、ほぼ入院患者のような生活を送っている可能性が高いでしょう。入手可能な情報に基づくと、とても活動的な生活をしているとは思えません。すべてが彼が深刻な状態にあることを示しています」
「ベッド上の患者として、ほとんどの人は非常に虚弱で硬直してしまい、長年ベッドから持ち上げることができなくなるものです」
ポスティ医師は、シューマッハの容態についての内部情報は持っていないとしながらも、ごく親しい家族や友人以外にはほとんど誰も知らないという事実から、状態はここ10年ほとんど変わっていないと推測している。
「おそらく、彼はここ10年間ずっと同じ状態なのでしょう、現段階で急激な変化があったとは思えません。通常、患者は2年間に回復できるものを回復し、その後は回復レベルが定まります」
先進的な技術的手法がシューマッハのコンディション改善につながるのではないかという希望を持つ人もいるが、ポスティ医師はそれにも疑問を呈する。
「基本的に、この種の患者はせいぜい非常に実験的なモデルに過ぎない
「通常、回復は発症から2年程度でほぼ固まるもので、その後は大きな変化はないでしょう」
また、最先端の技術でシューマッハの状態が改善する可能性も期待されているが、ポスティ医師はそれにも懐疑的だ。
「基本的に、この種の患者は、良くても実験的な治療の対象となるのがほとんどです」
ポスティ医師によれば、シューマッハは目を使って意思疎通を図ることしかできない状態だと聞いているそうだが、それについては次のように説明した。
「脳損傷の後遺症には様々なものがあります。例えば、患者が近親者以外とは意思疎通を望まない場合もありますし、近親者以外では十分なコミュニケーションができないこともあるのです。」