ヘルムート・マルコ博士は、レッドブル・レーシングが激動の時期にある中、団結を呼びかけている。
■団結を呼びかけるマルコ博士
マックス・フェルスタッペンは、チームがパフォーマンス低迷の理由を「理解」し始めていることに自信を深めているが、並行して起きている混乱により、複数の著名な人物がチームを去っている。
フェルスタッペンの父であるヨスは、明らかにチームのクリスチャン・ホーナー代表のスキャンダル、リーダーシップスタイルを非難しているが、マルコ博士は、ヨスの辛辣な公のコメントは誤解だったと認めている。
「こう言っておこう。それは何の助けにもならなかった」と彼は『ORFチロル』に語り、2022年に亡くなった創設者ディートリッヒ・マテシッツや、今年初めのホーナーのスキャンダルなど、すべてが2024年の混乱の一因であったことを既に認めている。
「しかし、私たちは一緒に座り、団結が必要だということで合意した。チャンピオンシップを勝つためには、すべての面で協力しなければならない。これは未来に向けた方向性でもある。なぜなら、マックスに勝てるクルマを提供しなければ、長期的には問題が起こる可能性があるのは明らかだからだ」
「すべてのトップドライバーは契約解除条項を設けている。今回の場合、マックスも他のオプションを探すことができるんだ。彼は最高のパッケージが得られるところで走るだろう」
■レッドブルF1責任者はサッカーなども兼務
2024年のリーダーシップを巡る権力争いの中で、ホーナーはチーム代表の座にしがみつくことに成功したが、マルコ博士はマテシッツ後の体制はまだ形成中だと言う。
「体制の面では、オリバー・ミンツラフがF1責任者であると同時に、サッカーやサイクリング、さまざまな他の事業も担当している」
エナジードリンク会社のレッドブルは、オーストリア1部の『レッドブル・ザルツブルク』、ドイツ・ブンデスリーガ1部の『RBライプツィヒ』、アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)『ニューヨーク・レッドブルズ』、ブラジルのセリエA『レッドブル・ブラガンチーノ』など世界中にクラブを保有しているが、8月には日本のJ3『大宮アルディージャ』を買収したことで話題となった。
次はフランスのサッカークラブ『パリFC』の株式15%を取得する準備を進めていると『L’Equipe(レキップ)』が報じており、さらに他のサッカーやホッケーチームへの関心も持っているという。
そしてレッドブルは10月9日、昨シーズンまでイングランド・プレミアリーグのリバプールで監督を務めていたユルゲン・クロップが、2025年1月からグローバルサッカー部門の責任者に就任すると発表し、サッカー部門を着実に強化している。
■レッドブル・レーシングの詳細はまだ決まっていない
気になるF1の体制についてマルコ博士はこう語った。
「クリスチャン・ホーナーは運営面でレッドブル・レーシングを担当しているが、詳細はまだ最終決定されていない。なぜならシステムはまだ発展途上だからだ。」