エイドリアン・ニューウェイがレッドブルを離れる決断を下した主な原因は、2022年後半にディートリヒ・マテシッツが亡くなったことが大きかったというのが、チームアドバイザーのヘルムート・マルコ博士の見解だ。
■トップクラスの人材が流出した理由は待遇
一方で、スポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリー(アウディ代表に就任予定)、レース戦略責任者のウィル・コートニー(スポーティングディレクターとしてマクラーレンへ)らトップクラスの人材が、高額のオファーやより強力なポジションに惹かれて去っていったことも認めている。
「我々は過去3年間に多くの勝利を収めてきたが、勝つと従業員が他のチームから引き抜かれるのは普通のことで、F1ではごく一般的なことだ」とマルコは『ORFチロル』に語った。
「我々が驚いたのは、提示された金額の大きさだ。私たちは常に予算上限に苦しんでいるが、彼らはしばしば倍の金額を提示されている。つまり、私たちが彼らを引き留めることができなかったことを意味する」
「ニューウェイは17年間、ウィートリーは19年間、私たちと一緒に働いてきた。彼らはチームの一員であり、グループの一員であり、クラブの一員だった。彼らは私たちの成功に大きく貢献してきた。(引き抜かれたことは)痛手だが、彼らが金銭的な理由やキャリア上の理由で去ろうと、同じ条件を提示できないのであれば、結果は変わらない」
■マルコ博士、マテシッツ没後の内部の変化を語る
しかし、2024年シーズンのレッドブルを悩ませた明らかに別の要因として、リーダーシップの混乱やクリスチャン・ホーナーにまつわるスキャンダルもあった。これについてマルコは次のように説明する。
「ディートリッヒ・マテシッツが亡くなったことで、ある変化が起こった。彼は事実上、唯一のリーダーだった。彼は迅速に決断を下していたし、ビジョンを持ち、リスクを負う覚悟のあるカリスマ的な起業家だった」
「彼の死後、会社はすべて再編成する必要があった。なぜなら、そのような個性を持つ人物を、ただ1人の人間に置き換えることはできないからだ」
「チーム内の変化もこれが原因だったと思う。特にニューウェイの場合は、エイドリアンが新たな挑戦を求めたからだと思う」
「そして、ホーナーとの状況が助けになったわけではないが、内部で私たちは集まって、今年の世界選手権を勝ち取るために力を合わせ、将来に向けて勝てる車を作るために協力しなければならないと話し合ったんだ。」