・フェルスタッペンがニュルブルクリンクでPermit A取得
・特別扱いを拒み規則を尊重、マルコ博士らが称賛
・次戦はフェラーリ296 GT3で再登場の可能性も
F1世界王者マックス・フェルスタッペンが、ニュルブルクリンクでGT3マシンを走らせるためのライセンスを取得した。デビュー戦としてニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)に参戦し、必要な周回数をクリアしたことで、念願の「Permit A」を手にした。
27歳にしてF1で4度の王者となったフェルスタッペンは、Lionspeed GPから土曜日の4時間レースに出場。ドイツ独自の厳しい許可制度に従い、出力を300馬力に制限したポルシェ・ケイマンGT4で挑んだ。雨模様のコンディションの中、義務付けられた14周を走り切り、クラス7位、総合27位で完走した。
レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は『Auto Bild』に対し、フェルスタッペンの姿勢を称賛した。
「ニュルブルクリンクのひどい官僚主義にもかかわらず、彼は非常に前向きにすべてを受け入れています。自分だけの特別扱いを求めません。そこが彼を他と違う存在にしているんです」と語った。
ニュルブルクリンクの実況を務めるオリ・マルティーニ氏も同調する。
「フェルスタッペンがこの制度を完全に尊重し、受け入れていることは見て取れます。彼は参加するためにPermit Bのマシンを走らせただけです。バレンティーノ・ロッシのように『そんなことはしない』と言う世界王者もいる中で、フェルスタッペンは『参加したいから規則に従う』と言ったのです。彼には感謝しかありません」と語った。
この日のイベントには地元メディアの推定で5万人もの観客が集まり、フェルスタッペンの走行を見届けるために臨時スタンドが設けられた。通常は2種類の車両での走行が求められるが、この日は1台が損傷したため、シリーズと連盟の代表者による審査委員会が開かれ、例外的にPermit Aの取得が承認された。
フェルスタッペンはレース後に「うまくいって良かったです。これが週末の目標でした」と笑顔を見せた。
「もちろん、もっと速いクルマを運転したい気持ちはありますが、ライセンスを取ると決めて、求められたことをすべてやりました。協力してくれた主催者にも感謝しています。今後もこの素晴らしいサーキットを何度も走るのを楽しみにしています」と続けた。
『Auto Motor und Sport』によれば、フェルスタッペンは早ければ9月27日、F1アゼルバイジャンGPとF1シンガポールGPの合間にニュルブルクリンクへ戻り、Emil Frey Racingのフェラーリ296 GT3を駆る可能性が高いという。チーム代表のロレンツ・フライ=ヒルティ氏は「マックスが走りたいと言えば、すぐに準備しますよ」とコメントしている。