マクラーレンは、新しいタイヤ温度調整システムを開発し、現在ランキングトップに立つルイス・ハミルトンの躍進に一役買っている。
ドイツ誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、有名なF1テクニカルイラストレーターであるジョルジオ・ピオラのイラストを掲載しながら、このシステムを「ブレーキから出る熱を誘導して、扱いづらいピレリタイヤを温めるシステム」と解説した。
ドイツ人のジャーナリスト、トビアス・グルーナーはこのシステムについて、たった1、2度適切な作動温度から外れてしまうだけで本来の性能を発揮しなくなる今季のピレリタイヤの問題を解決する「画期的」な技術だと説明している。
このシステムの調整は、メカニックがコックピット開口部付近に設けられたネジをドライバーで回して行う。
ピオラのイラストによると、システムはリアブレーキに作用し、ブレーキの熱をタイヤに誘導する仕組みになっている。
しかし、マクラーレンにとって良いニュースばかりではない。ジェンソン・バトン(マクラーレン)は今も大スランプに陥っているのだ。
F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)から厳しい取り締まりを受けているマクラーレンのフロアが原因かもしれない。
中国GPの後、FIAは柔軟性の規定に対するマクラーレンの解釈が度を越えていると裁定したようだ。
フロントウイングの両端に路面と接触したような傷が見つかっていたが、マクラーレンは許容されている範囲の湾曲だと主張していた。
FIAの技術責任者チャーリー・ワイティングは、マクラーレンが恣意(しい)的に規則で認められた誤差を利用したと判断し、「許容範囲は、パーツ製造時の誤差に対して設定したものだ」と語った。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は「マクラーレンの小さな変更が、大きな影響を与えた」と伝えている。
特にバトンにとっては、影響が大きかった。マクラーレンはノーズの高さを引き上げたほか、リアサスペンションの構成を変えるなど、次々に技術的な変更を加えたが、ハミルトンにはその変更がタイム改善につながった一方で、バトンにはうまく作用しなかった。
2012年型のマシンをもう一度バトン向けに仕上げる事が、マクラーレンの最重要事項だ。
マクラーレンのテクニカルディレクター、パディ・ロウは次のように語っている。
「問題はとても複雑だよ。うちのマシンも性能はいいんだが、セットアップが完ぺきでないとダメなんだ」
どのF1チームも性能の向上を求めて働いているが、その中心にあるのは謎の多いピレリタイヤだ。
ロウは「(タイヤについては)30パーセント程しか分かってないと思う」と認めた。
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