エイドリアン・ニューウェイ(65歳)は、2026年のF1ルール革命を痛烈に批判した。
■2026新規則はシャシーを考慮していない
F1史上最も才能ある技術者の一人として知られるニューウェイは、アストンマーティンに加入し、新時代のF1でも最高のクルマを製造するのではないかと期待されているが、ニューウェイは2026年のレギュレーションには懐疑的のようで『DAZN』に次のように語った。
「シャシーとパワーユニットの両方に新しいルールが適用されたのは、最後にいつだったか思い出せない」
「パワーユニットのルールはかなり前に決まったが、その際にはそれに伴うシャシーのルールについてはまったく考慮されていなかった。これはFIAとチームが対処しなければならない問題だ。どう機能するのか?それはまだ明らかになっていない」
前回のF1委員会では、2026年のマシンがストレートを走行中に電力切れを起こすというシミュレーションに明らかに動揺し、新しいルールにさらなる修正を加えることを決定した。
しかし、ニューウェイは「今でも、序盤よりもレース終盤のストレートで大幅に遅くなるのではないかという懸念が大きい。なぜなら、クルマはバッテリーを使い果たすからだ」と述べた。
■F1で最重要なのは自動車メーカーではない
シャシーのルールはこの問題を補うために設計されているが、それには代償が伴うとニューウェイは考えている。
「F1にとって最も重要なのは、クルマのクリーンでオリジナルな特性だ。もしシャシーのレギュレーション(主に空力に関するルール)が厳しすぎる場合、すべてのクルマが同じように見えてしまう」
ニューウェイは、90年代半ばにF1と人気を競っていたインディカーが、過度にシャシー規則を制限したことによって深刻な低迷を経験した例を挙げながら指摘した。
ニューウェイは、F1が2026年のレギュレーションは、ほぼ間違いなく、自動車メーカーをなだめて引き付けるために考案したと考えている。
「アウディが参入し、ホンダは撤退の決定を撤回した。しかし、私にとって価値があるのはチームであり、メーカーではない。彼らはやって来ては去っていく。彼らはCEOを交代させたり、突然F1よりもテニスのトーナメントのスポンサーをしたいと言い出したり、別の方向に向かっていく。私たちはそれを定期的に目にしてきた。」