モーターレース界のレジェンドが、ブラジルのサンパウロGP決勝のコンディションはレースを行うには危険すぎるとの苦情を「バカげている」と一蹴した。
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■危険すぎると訴える現役ドライバーたち
ケビン・マグヌッセンの体調不良により、ハースチームで代役を務めたルーキーのオリバー・ベアマンは、エンジニアに無線で「頼むからFIAと話してほしい。これは本当に危険なんだ。僕は死なないように頑張っているんだ」と訴えた。
さらにグランプリ・ドライバーズ協会の上級ディレクターを務める経験豊富なジョージ・ラッセル(メルセデス)でさえも、危険なほどの雨の中でのレースよりもテレビ向けの「アクション」を重視しているとFIAを批判した。「僕はショックを受けた。ストレートではアクセルを踏み続けることすらできなかった。FIAはアクションが好きなんだろう」。
■バカバカしい!F1ドライバーなら自分でコントロールしろ
しかし、1970年代に80回以上のグランプリに出場したハンス=ヨアヒム・スタックは、この苦情に対して「バカげている」と評した。
「彼らはレーシングドライバーなのか、違うのか?」と、73歳のドイツ人ドライバーで、ル・マン24時間レースで2度の優勝経験を持ち、第二次世界大戦前のレーサーであるハンス・スタックの息子でもある彼は『Eurosport』に語った。
「彼らは完璧なコンディションでしか走りたくないのか?やるべきことはアクセルを緩めて状況をコントロールすることだ。これは、コーヒーを飲むためにベルリンの街をドライブするようなものじゃないんだよ」
また、スタックは土曜日の予選が豪雨のために延期されたことについてもFIAを非難した。
「最高のクルマではないドライバーたちにも、もう一度、自分自身を証明するチャンスがあったはずだ。一方ではもちろん安全性が最優先事項だが、もう一方では世界最高のレーシングドライバーたちがF1カーに乗っているんだ」
「もしある場所が滑りやすいなら、アクセルを緩めればいいだけだ」。
■事故は限界に挑戦している証だ
ピレリのウェザー・タイヤと、新しいトラックの表面は凹凸で油分が多いことが原因で、ブラジルではスピンやクラッシュが相次いだことは否定できないが、スタックはこう指摘した。
「時には単純なドライビングミスもあった」
「私に言わせれば、このような事故はドライバーたちが限界まで自分を追い込んでいる証拠だ。このクルマでは、常に危険と隣り合わせなんだ」
「私は、ドライバーたちが限界に挑み続けることは素晴らしいことだと思うよ」。