記事要約
・81歳のヘルムート・マルコが2025年限りでF1を引退する可能性が高く、後任候補にはセバスチャン・ベッテルの名前も挙がっている。
・レッドブル代表ホーナーとの関係悪化も引退の背景とされ、CEOミンツラフは「非公開で話し合っている」と説明。
・マルコ自身も「F1以外にも関心がある」と語り、F1以外の新たな人生に向けた意欲を見せている。
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■マルコ、2025年限りでF1引退か 後任にベッテルの名も浮上
2025年シーズンが、レッドブル・レーシングの重鎮アドバイザー、ヘルムート・マルコ氏にとってF1での最後の年となる可能性が高まっている。
現在81歳のマルコ氏は、ここ最近たびたび“引退”をほのめかす発言を繰り返しており、先週末に行われたサウジアラビアGPでは、後任候補として元F1ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテル氏の名前を挙げたことが話題となった。
さらに今月初めには、エースドライバーであるマックス・フェルスタッペンが今季限りでチームを離れる可能性について問われ、「それは引退のきっかけになり得る」とも語っており、本人の中でも一つの区切りとして意識している様子がうかがえる。
■ホーナー代表との確執も背景に?
一方で、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表との関係が悪化しているとの報道も後を絶たない。英紙『Bild』の取材に対し、レッドブルCEOのオリバー・ミンツラフ氏は次のように語っている。
「ヘルムートは2005年にクリスチャンをレッドブルに招いた人物であり、2人の間には深い信頼関係があります。ただ、F1という情熱とプレッシャーに満ちた世界では、時に感情が先走ることもある。だからこそ、そうした時は冷静に、非公開の場でしっかり話し合う必要があるのです。私たちはそのように対処しています」
■「F1以外にも関心はある」──本人も心境語る
元F1マネージャーでエンジニアとしても知られるジョアン・ビリャデルプラ氏は、自身のポッドキャスト『Duralavita』において、「信頼できる筋から得た情報」として、「マルコ氏は今季限りでレッドブル、そしてF1そのものから完全に引退する意向だ」と明言。
また、マルコ氏自身も数週間前に出演したオーストリアの『Servus TV』にて、引退後の生活について問われ、「想像できる」と語り、次のようにコメントしている。
「もちろん、大きな変化にはなるでしょう。しかし私は多方面に興味があり、常にF1のことばかりを考えているわけではありません。F1にいる時は集中していますが、人生にはそれ以外にも多くのことがあります」
■後任にベッテル氏の可能性──新たな時代の始まりか
マルコ氏の後任として最も有力視されているのが、レッドブル黄金期を築いた4度のF1王者セバスチャン・ベッテル氏である。すでにチーム関係者やファンの間でも、ベッテル氏がF1の“裏方”として新たなキャリアを歩む可能性が取り沙汰されており、本人の動向にも注目が集まっている。
F1界に長年にわたり影響を与えてきたマルコ氏の去就は、2025年シーズンを通じて最大の注目テーマのひとつとなりそうだ。