記事要約
・フェルスタッペンがラッセルに接触し10秒ペナルティで10位転落
・スーパーライセンス残り1点、次違反で出場停止リスクに直面
・当初は皮肉も、後日SNSで「起こるべきではなかった」と反省投稿
■フェルスタッペンに“体当たり疑惑”──ラッセル接触で10秒ペナルティ
F1スペインGP決勝で、マックス・フェルスタッペンがジョージ・ラッセルに“体当たり”とも取れる接触を仕掛けたとして、大きな波紋が広がっている。
この日のフェルスタッペンは一時3位を走行していたが、終盤に導入されたセーフティカーの影響で唯一残っていた新品タイヤだったハードタイヤへ交換を強いられ、周囲がソフトタイヤを履く中で明らかに不利な状況となり、順位維持が困難になった。そんな中、ラッセルとの接触が発生。フェルスタッペンが意図的にマシンを当てにいったような映像が国際映像で流れ、各国メディアやファンの間で騒動となった。
ラッセルとは以前から関係が険悪とされており、今回も冷静に対応したラッセルは「子どもたちの手本にはならない行動だ」と非難。これに対しフェルスタッペンは「次はティッシュを持って行ってあげるよ」と皮肉交じりに返答した。
この接触に対し、一部では失格処分を求める声も上がったが、スチュワードは最終的に10秒加算のペナルティにとどめた。これによりフェルスタッペンは10位まで順位を落とし、チャンピオンシップ首位のオスカー・ピアストリに対し約50ポイントの差をつけられる結果となった。
■スーパーライセンスも危機
さらに深刻なのはスーパーライセンスポイントの状況だ。今回の違反により、フェルスタッペンの累積ポイントは出場停止リスクの臨界点である“残り1点”となっており、6月中にさらなる違反があれば自動的に1戦出場停止となる。
この件について、グランプリ・ドライバーズ協会(GPDA)の理事であるアレクサンダー・ヴルツはORFに対し、「彼はまるでクルマを"破壊兵器"のように使った」と批判。メルセデスのトト・ヴォルフ代表も「もしあれが“あおり運転”だったなら、良くないことだ」とコメントし、イタリアSkyでは「ナポリやローマの一部タクシードライバーのようだった」とまで語られた。
事態は一過性の接触にとどまらず、今後のチャンピオンシップ争いやフェルスタッペンの出場可否にも影響を及ぼす可能性がある。
■フェルスタッペン、バルセロナでの“体当たり”を反省「起こるべきではなかった」
スペインGP翌日、フェルスタッペンは自身のInstagramに投稿し、レース終盤の接触について初めて反省の意を示した。
「バルセロナではエキサイティングな戦略で良いレースができていたけど、セーフティカーが出てから流れが変わった」と振り返り、「終盤のタイヤ選択、そしてリスタート後のいくつかの動きがフラストレーションを募らせ、その結果として正しくない、起こるべきではない行為につながってしまった」と述べた。
「チームのために全力を尽くしているし、感情が高ぶることもある。勝つときも負けるときも、チームとして一緒だ」と語り、次戦カナダGPへの意気込みとして「またモントリオールで会おう」と締めくくった。
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