記事要約
・ニューウェイはアストンのシミュレーターを「全く相関しない」と酷評
・ジュンカデラは「2年発言」はプレッシャー回避策と指摘
・ホンダPU導入控える中、シミュレーターの役割に注目集まる
■アストンのシミュレーターに苦言のニューウェイ、2年発言は「重圧回避」とジュンカデラ
アストンマーティンの新たなシミュレータードライバーであるダニ・ジュンカデラは、エイドリアン・ニューウェイの「2年発言」には裏の意図があるとの見方を示した。
■「現状、全く相関していない」ニューウェイがシミュレーターを酷評
レッドブルからアストンマーティンに移籍し、2025年以降の技術体制を担うことになったエイドリアン・ニューウェイは、5月下旬に「特にドライバー・イン・ザ・ループのシミュレーターは大幅な改善が必要だ」と発言。「今のところ全く相関しておらず、根本的な研究ツールとして機能していない」と手厳しく評価した。
しかし、アストンマーティンのチーム代表アンディ・コーウェルやフェルナンド・アロンソは、2年かかるとの見解を否定。アロンソも「どのシミュレーターにも実車との相関問題はあるが、うちのは2年もかからないと思う」と述べていた。
■「2年発言はプレッシャーを減らすため」ジュンカデラの見解
これについてジュンカデラは、スペインメディア『DAZN』の取材に対し次のように語った。
「正直、2年というのは長すぎる気がします。もちろん組織としての規模もあるし、ニューウェイが自分のやり方でチームを再編成するには時間がかかるのは当然です。でも『2年かかる』という発言は、自分の肩の荷を軽くする意味合いもあると思います。そう言っておけば、周囲のプレッシャーも和らぎますから」
■ストロールの「即効性重視」姿勢に警鐘
またジュンカデラは、ここ最近の成績不振に対するチーム内の危機感にも言及。巨額の投資を行ってきたローレンス・ストロールが結果を急いでいると示唆した。
「きっとチーム全体にとって目が覚めるような出来事だったと思います。特にストロールのような世界では、時間を無駄にすることは許されません。彼は『今すぐ解決策を』というタイプです」
■「シミュレーターはあくまで一要素」
シミュレーターの重要性については、「確かに大事なツールだが、決定的なものではない」と強調する。
「もしそれが本当に鍵なら、毎週ドライバーがそこに入り浸ってるはずですよ。2年かかるにしても、クルマのパフォーマンス自体はもっと早く向上すると思います」
その一方で、現時点では来季に向けた開発において一定の役割を担っていると認めた。
「シミュレーターは来年に向けて重要です。特に新しいパワーユニットのようなシンプルな要素のテストに関しては。まだ実際に試す機会がないので、分からないことも多いです」
■2026年からホンダPUに切り替え
アストンマーティンは現在のメルセデス製PUのカスタマー契約を終了し、2026年からはホンダのワークスPUに切り替える。
「来年のパワーユニットに関しては、いろんな意見が飛び交っています。どうなるかは正直分かりません」
「どれだけ速いクルマを作っても、パワーユニットに問題があれば台無しになる可能性もあります。大きなレギュレーション変更の年には、過去にもそういったことがありましたからね。」
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