・2026年レギュレーションをめぐり「マリオカート」論争
・ペレス「人工的なレース」と強く批判
・メルセデスなど優位チームは規則変更に消極姿勢
フェラーリは上海で、コックピットのステアリングホイールのディスプレイでドライバーのシャルル・ルクレールがマリオカートをプレイする様子を収めた動画をSNSに投稿した。オーストラリアGPでの開幕戦以降、F1に向けられている“マリオカート化”という揶揄を皮肉交じりに受け入れた形だ。
この話題は木曜日のFIA公式記者会見でも続いた。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、2026年型マシンの複雑なエネルギーマネージメントシステムを扱う上でシミュレーター作業が有利になるのではないかと問われると、冗談交じりにこう答えた。
「もっと安い解決策を見つけたよ。シミュレーターをやめてNintendo Switchに鞍替えしたんだ。実はマリオカートを少し練習しているところなんだ。キノコは結構見つけやすいね。トゲゾーこうらはちょっと難しいけど、練習中だよ。ロケットはまだ見つけられないけど、もうすぐだ。」
編集部注)
※キノコ(加速アイテム)
※トゲゾーこうら(追いかける攻撃)
※ロケット(キラー:圧倒的な速さ)
この皮肉めいたジョークの発端は先週の開幕戦オーストラリアGPだった。ルクレールがジョージ・ラッセルとのバトル中、無線で「バッテリーブーストがマリオカートのキノコみたいだ」とチームに伝えたことがきっかけだ。
この一言はその後、2026年レギュレーション(規則)がF1の意図するような見応えのあるレースを実現しているのかという、より大きく深刻な議論の象徴的な言葉となっている。
しかし、この例えを笑い話として受け止めていない人物もいる。レッドブル離脱後、キャデラックF1チームとともにF1へ戻ってきたセルジオ・ペレスはこの状況に厳しい見方を示した。
上海で取材に応じたペレスは、オーストラリアGPのレースについて率直に次のように語った。
「オーストラリアGPでのレースは人工的に感じました。すべてがボタンでコントロールされているんです。オーバーテイクしたと思ったら、後でまた抜き返される・・・まるでマリオカートのようです」
ペレスは、開幕戦で露呈した具体的な問題の一つとして、スタート時の不安定さを挙げた。フォーメーションラップを含め、1周の間にバッテリーを再充電できる量が制限されているため、マシンがそれぞれ異なる充電状態でグリッドに並ぶことになるからだ。この影響で、リアム・ローソンがアルピーヌのフランコ・コラピントと接触寸前になる場面もあった。
ただしペレスは、レギュレーションを短期間で修正するのは難しいとの見方も示した。
「規則変更は事実上不可能です。今のルールで有利なチームが存在しているからです。彼らが自らアドバンテージを手放すことはないでしょう。結局のところ、現状は誰にとっても良くないと思います」
一方でフェラーリは、現行のスタート規則の変更に消極的なチームの一つだ。現在の条件をうまく活用し、パフォーマンスにつなげているためとみられている。
さらにコンストラクターズランキング首位のメルセデス及びそのカスタマーチームも、大規模なルール変更には乗り気ではないとされる。
それでもメルセデス代表のトト・ウォルフは限定的な調整には一定の理解を示している。また、チャンピオンシップリーダーのラッセルはフェラーリの姿勢を厳しく批判した。
「FIAは単純に、エネルギー回収制限をなくして僕たちのレースを楽にしたかっただけなんです。でも人は自分の利益しか考えません。自分たちにとって一番都合のいいことをやろうとするんです」とラッセルは語った。
実際、中国GPではメルセデスが1ー2フィニッシュを飾っている。