・雷雨回避で決勝は3時間前倒し アントネッリが3連勝を達成
・スタート直後から多重クラッシュやスピンが相次ぎ混乱の展開
・アストンマーティン・ホンダは今季初の2台完走を記録
2026年のF1カレンダーは中東情勢の影響により5週間の空白期間が生じていたが、マイアミGPで再開を迎えた。夕刻からの雷雨予報により、決勝は当初予定より3時間前倒しで実施され、気温26℃、路面温度36℃、湿度72%というコンディションで決勝レースが行われた。
前日の予選で、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)はフロアに関する技術的違反により予選失格となった。しかし、それまでのセッションで十分な速さを見せていたことから決勝レース出場が許可されたものの、チーム側はセットアップを変更したため、決勝はピットレーンスタートとなった。
57周のレースは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が3戦連続のポール・トゥ・ウィンを達成した。現在19歳のアントネッリは、史上最年少のポイントリーダー記録を更新し続けている。中国GPで史上最年少ポールポジションを獲得して初優勝を果たし、初優勝から3戦連続ポール・トゥ・ウィンはF1史上初の快挙となった。また、10代での3連勝は、F1の長い歴史においても前例のない大記録だ。初優勝から3連勝は1993年のデーモン・ヒル以来となる。
スタート直後には混乱が発生し、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は単独で360度スピン。その後もコースオフを喫するなど、大きく順位を落とした。
5周目、後方から追い上げていたハジャーはターン14のシケインで左側のウォールに接触し、左フロントアームを壊す単独クラッシュ。ヘルメットを何度も叩き、リタイアを悔しがった。
その直後、バックストレートエンドでリアム・ローソン(レーシングブルズ)とアウト側のピエール・ガスリー(アルピーヌ)が接触。ガスリーのマシンはローソンのタイヤに乗り上げたことで横転しながら一回転してタイヤバリアに衝突し、両者ともリタイアとなった。
この処理のため、セーフティカーが導入された。
このタイミングでフェルスタッペンはミディアムからハードへとタイヤ交換を行い、残りのレースを走り切る戦略を選択したが、タイヤの消耗に苦しみ上位勢に先行を許した。
最終ラップ直前のバックストレートエンドでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にオーバーテイクを許した。その後、最終ラップのセクター1でルクレールは単独で360度スピンを喫し、左側のウォールにも接触。これで足回りのバランスが崩れたのか右ターンがうまくできない様子でコースをショートカットしながらペースを大きく落とし、チェッカーフラッグを目指した。
ルクレールに追いついたジョージ・ラッセル(メルセデス)は、バックストレートエンドでタイヤの接触を伴いながらもオーバーテイクに成功。そのままフロントウイングから火花を散らしながら4位でフィニッシュした。コーナー立ち上がりで壁際を通過した際に、フロントウイングのエンドプレートを損傷した可能性がある。
最終ターンの加速でフェルスタッペンもルクレールを交わして5位でチェッカーフラッグを受けた。
後方では、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)がバックストレートでセルジオ・ペレス(キャデラック)をオーバーテイクした。アストンマーティン・ホンダの2台は、アロンソが15位、ランス・ストロールが17位でレースを完走。チームとしては今季初の2台完走を果たし、ホンダのパワーユニットの進化を感じさせる一戦となった。
レース後、スチュワード(レース審判団)はルクレールに対して20秒のタイムペナルティを科した。
スチュワードはレース後に3件の事案を審議。
・1つ目は損傷を受けた車両を安全ではない状態で走行した疑い、
・2つ目は複数回にわたるコース外走行とアドバンテージ獲得、
・3つ目は最終ヘアピンでジョージ・ラッセル(メルセデス)と接触した件だった。
スピンして壁に接触後、ルクレールのフェラーリは右コーナーで曲がらないという挙動に問題を抱え、チェッカーフラッグまでの間にシケインをカットせざるを得ない状況となった。しかし、コース外走行による継続的なアドバンテージ獲得と判断され、ドライブスルー相当の20秒加算ペナルティが科された。これにより、6位から8位へ降格している。
なお、ラッセルとの接触についてはレース中によく起こるレーシング・インシデントと判断され、追加処分は科されなかった。
レース後、フェルスタッペンには5秒のタイムペナルティが科された。ピット出口で白線を越えたためだ。当初は判断に十分な映像がなく、裁定はレース後まで持ち越されたが、別アングルの映像により左フロントタイヤが白線外側を越えていたことが確認された。
フェルスタッペンはフルコースイエロー中に本コースへ合流したと説明したものの、最終的に違反が認定された。この5秒が加算されたことでルクレールの1つ下の6位に降格になるはずだったが、ルクレールは前述の20秒ペナルティを科されたため、フェルスタッペンの順位は変わらなかった。
雨天時には安全上の理由から出力を抑え、オーバーテイク用ブーストを停止する方向で調整されていた。
雷雨の可能性を考慮し、レースへの影響を最小限に抑え、最も良いコンディションでレースを終えるため、決勝のスタート時刻は現地時間16時から13時へと前倒しされ、日本時間では深夜2時に開始された。
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