低迷が続くアストンマーティンの2026年シーズンを巡り、チーム代表エイドリアン・ニューウェイの動向にさまざまな憶測が広がっていたが、今週末のモナコGPでF1パドックに復帰することが明らかになった。
このデザイン界のレジェンドが公の場に姿を見せていなかったことから、チームの不振なシーズン序盤や健康問題、さらには元アウディF1代表ジョナサン・ウィートリーのチーム代表就任説まで、複数の憶測が浮上していた。
しかし、アストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーであるマイク・クラックは、ニューウェイ代表がモナコGPに姿を見せることを認めた。
「今週末、ニューウェイ代表に会うことになります。彼はここで豊富な経験を持ち、何度も勝利を収めています。彼のアドバイスは、私たちにとって大きな助けになるでしょう」
なお、ニューウェイ代表は、表向きはチーム代表の立場にあるものの、レース週末の全業務を担うわけではない。FIAの公式記者会見には、チームアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサが出席する予定となっている。
アストンマーティンにとって、ホンダとの新体制における厳しいスタートは、依然として大きな懸念材料となっている。
ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎氏は、今後の開発方針を決定する前に、FIAによるエンジンレギュレーションの調整確定を待っている状況だと説明した。
「現在は、FIAの決定を待っている状況です。それを受けて初めて、何を改善すべきかが明確になります」
また、エンジン性能の大幅な向上が短期間で実現する可能性は低いとの見方も示している。
「新しいエンジンの導入は長期的な開発プロセスです。短期的なプロジェクトではありません」
さらに、アップグレード版パワーユニットの投入時期については、冗談交じりにこう語った。
「夏と言いたいところですが、それがどの夏なのかは言えません。ギリシャの夏か、イギリスの夏か、それとも日本の夏か……」
一方、フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンの信頼性問題の一部は、ニューウェイ代表の限界を追求する設計哲学に起因していると語った。
「ニューウェイ代表は常に限界を探り、それを見つけると半歩引くんです。それが彼のやり方です」とアロンソは語る。
それでもアロンソは、目先の改善を優先して無難な方向へ戻す選択肢もあるが、チームはあえてその道を取っていないと語った。
「伝統的な方向に戻れば、すぐにパフォーマンスは改善するかもしれません。しかし、将来的により大きな可能性を引き出せると信じているからこそ、この哲学を維持しています」
さらに、2度の世界チャンピオンであるアロンソは、前戦カナダGPでのリタイア原因となったシート問題が解決に向かっていることに期待を示した。
「先週、さまざまなドライビングポジションを試しました。4つの構成を評価し、最終的に2025年仕様のポジションに戻しました。実験は終わりました」
また、クラックも今週初めにアロンソと集中的な作業を行ったことを明かした。
「幸い、アロンソはファクトリーの近くに住んでいるため、火曜日に多くの時間を割き、さまざまな調整を行いました」
アロンソは、モナコGPがチームの未解決課題を見極める重要な一戦になると見ており、特にギアボックスの問題を課題として挙げている。
「モナコは、予期しないシフトダウンが許されるようなサーキットではありません。そんなことが起きれば(ドライバーはコントロールを失い)なす術もなく壁に突っ込んでしまい、ドライバーはただの“乗客”になってしまいます。僕たちが修正すべきはまさにその部分であり、モナコはその対策が機能しているかどうかをはっきりと教えてくれるでしょう。」
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