チャンピオンシップリーダーのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に対し、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が苦戦していることが、すでに熱を帯びているF1のストーブリーグ※に新たな火種を投じている。
※ストーブリーグ:ドライバーの契約延長、移籍、引退などを巡る報道やうわさが飛び交う時期や動向のこと
モナコGP予選後、アントネッリがポールポジションを獲得し、すでに選手権リードを43ポイントに広げている状況を受けて、パドックではメルセデスの長期的な計画、そしてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がそこに加わる可能性を巡る憶測が強まっていた。
ラッセル自身も、メルセデスの2026年型マシンへの適応に苦しんでいることを認めている。
「今のところ、僕のドライビングスタイルの何かが、このマシンとうまく合っていません」
ラッセルは予選6番手に終わった後、そう語った。
「僕たちの間には明らかにドライビングスタイルの違いがあります。それは昨年からすでにありました。昨年はそれが僕にとって非常にうまく働いていましたが、今年は明らかに彼に完璧に合っています」
メルセデス代表のトト・ウォルフは、すぐにイギリス人ドライバーのラッセルを擁護した。
「ジョージのセットアップで私たちがミスをしました」
ウォルフ代表はそう強調した。
「ジョージには力があります。これ以上のチームメイトは想像できません。ワールドチャンピオンシップの流れの中で、彼は戻ってくるでしょう」
しかし、フェルスタッペン陣営に近いとされるオランダ人ジャーナリストのエリック・ファン・ハーレンは、メルセデス内部の力関係がますます重要になっていると見ている。
「ウォルフはフェルスタッペンへの好意を一度も隠したことがないのです」
ファン・ハーレンはオランダ紙『デ・テレグラーフ』にそう記した。
同紙は、ラッセルの契約にパフォーマンス関連の条項があるとの見方がある中で、ウォルフ代表はラッセルがアントネッリとの差を縮められるかどうかを引き続き注視していくと伝えている。
ただし公式には、ウォルフ代表はアントネッリの選手権順位を理由にチームの方針を変える必要はないと主張している。また、タイトルはアントネッリが「失うだけの状況になった」というラッセルの見方もパドック内で大きな話題となったが、ウォルフ代表は軽く受け流した。
「彼(アントネッリ)には、失うものはそれほど多くありません」
オーストリア出身のウォルフ代表はそう語った。
「彼自身、この立場にいること、チャンピオンシップをリードすることなど想像していなかったでしょう。彼は自分の本能を信じ、ただマシンを走らせているのです」
ウォルフ代表はまた、モナコGPがラッセルにとって特に難しい場所だとも示唆した。
「彼はステアリングを握った状態で自信をつかむことができていないのです」
一方で、アントネッリの将来を完全に確信しているように見える人物がいる。フェルスタッペン自身だ。
アントネッリが将来のワールドチャンピオンに見えるかと問われたフェルスタッペンは、決勝前にこう答えた。
「ええ、間違いありません」
「若いカテゴリーから成長してくる何人かのドライバーを見ていると、特別なものを持っている選手がいます。そういうドライバーはカテゴリーを移ったとき、すぐに速さを見せます。キミについては、それがかなり明らかだったと思います」
フェルスタッペンは、メルセデスの若手アントネッリが今、才能を結果につなげられることを証明していると語った。
「今年の彼は、結果を残せるパッケージを手にすれば、ドライバーとしてきちんと力を発揮できることを示しています。それを見るのは素晴らしいことですし、それこそ彼がやらなければならないことです」
さらに、その後のモナコGP決勝でも、アントネッリは予選で示した速さをそのまま結果につなげた。ポールポジションからトップを守り切り、ポール・トゥ・ウィンで5連勝を達成。モナコというミスの許されない舞台で速さと冷静さを両立させ、プレッシャーのかかる週末を完璧にまとめ切ったことで、メルセデス内での存在感は一段と大きくなっている。
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